厩務員経験が新人・深野師を育てる

[ 2010年11月19日 06:00 ]

2戦目にして初勝利を挙げた深野塁師

 【地方競馬です!!】今秋、川崎で厩舎を開業した深野塁師(39)が今開催2日目(16日)の3R・プリンセスマオで2戦目にして初勝利を挙げた。福島県相馬の出身。幼い頃から国の重要無形民俗文化財である相馬野馬追に参加。「馬に乗りたい」の一心で騎手になった。90年春から04年秋まで通算2783戦166勝。本来は騎手を続けながら調教師を目指すつもりだった。

 しかし、髄膜炎を患い、減量もできなくなったため引退を決意。所属の大和田厩舎、その後は田辺厩舎で調教厩務員を務めながら目標達成に励んだ。今年、4度目の受験で念願の調教師免許を取得した。ここまで5年余り。この期間に大きな糧を得た。「騎手をやっている時には分からなかった厩務員の苦労を知ったし、馬にも恵まれた。勉強になることが多かったですね」。田辺厩舎では07年のS1・東京2歳優駿牝馬を制したマダムルコントや、今春の条件戦で連続レコード勝ちしたチョウサンペガサスなどに出会えた。
 調教師になっても根底にあるのは馬に乗ること。さらに、馬の状態、管理などにおけるスタッフとのコミュニケーションを重視する。「厩務員時代の経験を最大限に生かして、健康で強い馬をつくっていきたい」と語る深野師の笑顔が印象的だった。(池田 裕文)

続きを表示

2010年11月19日のニュース