真夏のTCK“ギャップ馬”ツルオカオウジが主役

[ 2010年8月20日 06:00 ]

 【地方競馬です!!】デビュー時からここまで変わる馬も珍しい。地方交流3歳重賞の「第44回黒潮盃」(17日、S2、大井1800メートル)を制したツルオカオウジ(牡=大井・久保与厩舎)の新馬戦(1000メートル)は、最下位で勝ち馬から3秒2差。2戦目(1000メートル、9着)もまた3秒2差のブービー。ひたすらゴールが遠かった。それが3戦目、ブリンカー着用で一変。2連勝を飾ると特別戦でも好走した。飛節を痛めてクラシック出走はかなわなかったが、休養明け3戦目から2連勝。黒潮盃は重賞初挑戦ながら1番人気に推され、見事期待に応えた。勝ち時計1分52秒7は05年にG1馬ボンネビルレコードが記録したレースレコードタイだった。

 「デビュー時は幼くて走る気がなく、一時期は引っ掛かるところを見せた。黒潮では序盤に少し掛かったが、すぐに折り合いがついて我慢できたのが最後の踏ん張りにつながったね」と久保与師。デビューから1年少しで見違えるほど変身した愛馬。「休養前後で一番違うのは精神面が大人になったこと。1、2戦目と大敗したがよくここまで成長してくれた」と感慨深く振り返った。
 過去20年の黒潮盃馬のデビュー戦績は【11423】で掲示板を外したのは1頭のみ。まれに見る“ギャップ馬”が真夏のTCKで主役に躍り出た。(秋田 麻由子)

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2010年8月20日のニュース