【大井・帝王賞】フリオーソ1年3カ月ぶりV

[ 2010年7月1日 06:00 ]

完勝したフリオーソ

 上半期のダート王決定戦「第33回帝王賞」が30日、大井競馬場で行われ、5番人気の戸崎騎乗フリオーソが完勝。1年3カ月(8戦)ぶりの勝利で、地方馬史上3頭目となるG1・4勝を挙げた。帝王賞制覇は2年ぶりで、史上2頭目の同レース2勝。また、川島正行調教師(62)は帝王賞最多勝記録を更新する4勝目。G1は10勝目となった。

 眠れる獅子がついに目を覚ました。地方の雄フリオーソだ。好スタートから仕掛けることなく先団をうかがう。1番人気サクセスブロッケンが最内枠から逃げる展開。2コーナーではその直後につけ終始プレッシャーを与えて直線へ。過去1度も先着することができなかった“天敵”ヴァーミリアン(9着)や、懸命に追い上げるカネヒキリ(2着)など中央のライバルを寄せつけず、ちょうど2年ぶり4度目のG1奪取だ。
 主戦・戸崎は「ずっと乗せてもらっていたのに惜しいところで勝ち切れないレースが多かったけど、自信を持って乗った。テンは折り合い重視、最後までフリオーソのリズムを崩さないよう心掛けた」と晴れ晴れとした表情を見せる。2~4歳時に3年連続でG1を制してきた地方馬のエース。2000メートルの帝王賞で2番目に速い2分3秒4をマークし完全復活を印象付けた。
 自身の持つ地方所属調教師のG1最多勝記録を10に伸ばし、さらには90年7月の管理馬初出走からの通算1000勝にこの大舞台で王手をかけた川島正師はレース前、戸崎に「これ以上の仕上げ、つくりは無理だからな。自信を持っていけ。行く馬がいれば行かせればいいし(テンに)抜け出せれば自分が行ってもいい」とアドバイス。「きょう勝たなければ勝つチャンスはないという思いだった」と胸を張った。秋は地元船橋で初めてのJBCクラシック(G1、11月3日、1800メートル)が待っている。G2日本テレビ盃(9月23日、船橋1800メートル)から大目標を目指す。

 ◆フリオーソ 父ブライアンズタイム 母ファーザ(母の父ミスタープロスペクター)牡6歳 船橋・川島正行厩舎所属 馬主・ダーレージャパンファーム 生産者・北海道新冠町のハシモトファーム 戦績29戦8勝(南関東23戦8勝)総獲得賞金5億4845万円。

 ≪戦い終えて≫
 ▼2着カネヒキリ(横山典)完調ではないのにこれだけ走るのだから、本当に素晴らしい馬だ。クラスが違うんだね。
 ▼3着ボンネビルレコード(的場文)昔で言えば9歳でこれだけ走るんだから。まだまだやれる。
 ▼4着アドマイヤスバル(勝浦)最後は詰めているし、G1でもやれますね。内枠だったらもっといい勝負ができた。
 ▼6着スマートファルコン(岩田)折り合いはついたが追ってからがひと息。疲れがあったかな。
 ▼7着マコトスパルビエロ(安藤勝)状態は良かったけど、これだけメンバーがそろうと…。
 ▼8着サクセスブロッケン(内田)自分の競馬はしたが、3コーナーで手応えがなくなった。本来の走りじゃなかった。
 ▼9着ヴァーミリアン(福永)勝負どころで上がっていけなかった。強気には乗ったけど。

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2010年7月1日のニュース