【ラジオNIKKEI賞】グローリー“一変”加速
「第59回ラジオNIKKEI賞」の追い切りが30日、美浦、栗東両トレセンで行われた。栗東ではトゥザグローリーがポリトラックで強烈な伸びを見せ、重賞初制覇へ上がり目十分の動き。管理する池江郎師はJRA全10場重賞制覇に王手をかけており、最後の“みちのく決戦”を制すと史上4人目の快挙達成だ。
将来性豊かなトゥザグローリーが躍動感あふれる動きを見せた。1週前追い切りでは調教を担当する池江助手が「少しモサモサしていた」と併走馬に遅れ、不穏な空気が漂っていたが、この日はポリトラックの併せ馬で気配一変だ。
トゥザグローリーが先行し、サクラオリオン(8歳オープン)が追走する形を取り、4コーナーで2頭並んでからのフットワークはスムーズそのもの。ラスト1Fで鞍上が気合注入のムチを入れると、グーンと加速してラスト1F11秒6(6F83秒4)。鋭い切れ味を発揮した。
手綱を取った村本助手は「先週金曜にキャンターで乗って、けさが2回目の騎乗。騎乗者を替えて気分転換を図った」と経緯を説明。「気を抜くところがなく集中していたし、しまいもしっかり。最後はムチに応えてもうひと伸びした」と上々の手応えだ。
頂点のレースを戦った後に“それ以上”を望むのは難しい。しかしこの馬には、さらなる上昇の可能性があることを村本助手が示唆する。「まだキャリア4戦。ここまで能力だけで走っているからね。馬体もこの攻めでなんとかひと絞りできたかな。完成となると秋以降かもしれないけど器は大きいんじゃないか」
世代の頂点を争うダービーで積極的に先行し、見せ場をつくる0秒5差7着。ラジオNIKKEI賞で注目を集めるのは当然だ。ハンデ56キロもむしろ他陣営から「1キロ軽いのでは?」と声が上がったほど。だが、一方でダービーの次のレースは多くの馬にとって鬼門。死力を尽くした後に加えて気温も上がる。結果を出すには並々ならぬタフさが必要だ。それでも最終リハーサルの動きを見ればワンランク上の仕上げに持ってきたと見ていい。
大器はまだ底を見せておらず、前走の疲れも感じさせない。“ダービーの次走”を白星で飾る馬は往々にして大物であることは歴史が証明している。将来のために、ここは落とせない一戦だ。
≪ダービー→Vは過去19頭≫00年以降、ダービー出走馬が次のレースを勝ったのは19頭(JRAのみ)。そのうちシンボリクリスエス、ゼンノロブロイ、スズカマンボ、シャドウゲイト、アドマイヤムーン、ドリームジャーニー、ナカヤマフェスタの7頭はのちにG1(海外含む)を制した。
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