【安田記念】フェローシップ不気味な“静”調整

[ 2010年6月4日 06:00 ]

芝コースで追い切るフェローシップ

 ベールに包まれている香港馬。来日後はいずれも軽めの調整で本来の実力は明かさないが、不気味なムードを漂わせている。実績No・1はフェローシップ。香港の2大マイル競走の香港マイル(3着)、チャンピオンズマイル(2着)で首位争いを繰り広げてきた。日本通のオサリバン師も自信をみなぎらせている。安田記念の枠順は4日に確定、5日から前売りされる。

 “静”に徹する最終調整だった。フェローシップは東京競馬場の芝コースで追い切られたが、4F61秒5と全くの馬なり調整。ラスト1Fも15秒1にとどめられ、パワフルな馬体に秘められた力の片りんすらのぞかせなかった。
 大一番に臨む調整としては正直物足りない内容。それでもオサリバン師は「間隔が空いてフレッシュな状態の時の方が好走するタイプで、あまりやり過ぎない方がいい。きょうは脚を伸ばしてやるだけで十分」と納得の表情を浮かべた。来日後は馬体が減ったこともあり、終始軽めの調整。強い調教をやりたくてもやれなかった?との疑問もわくが、師は「輸送のたびに落ち着くのに2、3日かかる。体重減は想定内。カイバは予定通りに食べているし、レースまでには万全になる」とこともなげに話した。
 近5走はすべて3着以内と抜群の安定感を誇る。今回の来日馬3頭がそろって出走した前走・チャンピオンズマイルも最先着の2着。会見で「香港馬の中では人気になりそうだが」と振られた師は「非常にいい判断だ」と笑顔。さらに「ただし、枠を見てから決めるのが賢明だね。理想は1枠」と付け加えた。「本来は1500メートルの馬」と言うようにマイルではしまいがやや甘くなるため、距離ロスを避けられる内枠を希望した。
 父D・J・オサリバンのスタッフとして89年ジャパンCを制したホーリックス、86年富士S勝ちのウェイバリースターに携わった経験があるオサリバン師。「日本での思い出はいいものばかり。フェローシップも2頭に続いてくれれば。国際G1を勝つチャンスがあるとしたら今だと思う」。ためにためた力を日曜に一気に爆発させることができれば、3度目の日本勢撃破も十分にあり得る。

 ≪注目のチャンピオンズマイル組≫「アジアマイルチャレンジ」最終戦の安田記念に出走する香港馬は、大半が同第3戦の香港G1チャンピオンズマイルからの参戦となる。近5年の出走馬15頭のうち14頭までがこのローテーション。両レースとも制した06年ブリッシュラックをはじめ、近5年の安田記念で3着以内を確保した4頭はいずれもチャンピオンズマイルでも3着以内だった。今年はフェローシップ、ビューティーフラッシュが該当する。

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2010年6月4日のニュース