ブリーズアップセールで“ダイヤの原石”発見!

[ 2010年6月4日 06:58 ]

ポレントの08(メリーポピンズ)

 今年もダービーが終わり、19日からは新たなヒーローの座をつかむため新馬たちがしのぎを削る。一体今年はどんな馬が活躍するのだろうか。4月26日に行われたブリーズアップセールを取材したウマドル・桜井聖良が、同セールで気になった馬を紹介した。

 4月26日月曜日、私は中山競馬場にいました。それはなぜかというと…そう!ブリーズアップセール!これから活躍をしていくだろうお馬さんのチェック&取材をしてきましたよ!追い切りも全頭しっかりチェック!馬好きな私にとって、これでもかとお馬さんが出てくるこの状況がたまらなく幸せでした。何頭か気になるお馬さんがいましたが、その中でも特に目を引いた1頭を紹介したいと思います。

 それはこの仔!ポレントの08(牝馬)!
このお馬さん、本馬場入場からいい雰囲気を出しており、シッポをぶんぶんと振る幼さも見せながら登場。だけど走った途端一変。とてもやわらかくノビのあるフォームで一気に私の心は引き寄せられました。まだクビがちょっと使えていないけれど、それでもこれだけやわらかいフォームを見せてもらっては大きな期待を抱かないわけにはいきません。追い切り後の展示会でももちろんチェックしてきましたよ。

 すぐに駆け寄り、日高育成牧場(JRA)の担当者に思わず「G1ですね!!」と声をかけちゃった。言い過ぎと思われるかもしれませんが、重賞級と信じて疑わなかった私の言葉に担当の方も「この仔は間違いない」と断言。「乗っていて背中もやわらかく、別格だ」と目を輝かせていました。落札価格は2048万。この日登場した牝馬の中では最高額でした。入厩先は牧浦充徳厩舎ということで早速牧浦調教師にお話をお伺いしました。

 -ポレントの08の名前はもう決まったのでしょうか?

 牧浦「はい。メリーポピンズになりました」

 ―可愛い名前ですね!ポピンズに出会った時の印象を教えてください。

 牧浦「最初、写真を見て気に入り、牧場に下見に行きました。やわらかくバネのある走りが気に入ったのですが、(セール)当日はかなり値段が高くなると思い半分諦めていました」

 ―私ももっと上がるかと思っていましたよ。このお馬さんまだ輸送などが課題なんですよね?

 牧浦「そうですね。セリの次の日に輸送し、水曜日に入厩をしたのですが、体重が30kg近く減ってしまいました。浦河から中山、中山から栗東。どうやら慣れない長距離輸送がこたえたんでしょう。ゲート試験を受けさせてからとも思いましたが、まずは馬体回復が先決と思い、金曜日にグリーンウッドに放牧に出しました。もう体重も輸送前と同じ450kgぐらいになっているようですよ」

 ―牝馬は環境の変化に敏感になりがちですもんね。

 牧浦「はい。あとは牝馬らしいピリッとしたところがあります。それが競馬にプラスに向いてくれるといいですね」

 ―私はポピンズの走りを見て、重賞馬だと思いました。私のメリーポピンズをよろしくお願いします(笑)
 
 牧浦「はい(笑)私も重賞馬と思い選んでいますので、期待に応えられるよう頑張りますね。応援よろしくお願いします」
 
 生産牧場の担当者である大林さんにも馬名がメリーポピンズになったことを報告すると、「いい名前ですね!あの子の“魔法”でたくさんの夢を見させてくれるでしょう」と喜んでいました。

 ポピンズはこれからどんな夢を見させてくれることでしょう。来年のクラシックへ向けて今から楽しみで仕方ありません。

 他にも芝もダートも両方いけそうなノーザンアンジェラの08、人懐っこく1完歩が大きいスギノアマゾネスの08、すでに勝負根性を見せたアイリーンズハートの08、クビも使え追い切りでも抜かさせないチコリーベルの08、筋肉痛でもフワっと走るジュビロレディの08、気合十分で伸びもいいマイネコサージュの08などなどいいお馬さんが勢ぞろい。特にスギノアマゾネスの08は甘えん坊のさびしがり屋で、馬房でずっと一緒に遊んでいました。みんなどんな競走馬に成長していくのかこれからしっかりと見届けていきたいと思います。みんな頑張れ!(馬バカのウマドル 桜井聖良)

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