木村“一走入魂”でハンデ克服できるか

[ 2010年2月11日 06:00 ]

地元からただ1人エントリーの木村武之

 今年最初のSG「第23回全日本選抜」は、11日、浜松オートレース場で開幕する。初日12R「スーパードリーム戦」に地元からただ1人エントリーの木村武之(32)は、前節の川口G1開設記念最終日で落車(落車妨害)を喫して以来の実戦。予期せぬ“ハンデ”を気迫で克服できるか注目だ。

 SGウイナーとして初めて地元の大舞台に臨む木村が、厳しい表情で報道陣の前に姿を現した。「左ひざと右腰と打撲した。徐々に良くなっているけど、まだ痛みは残っている」。3日に川口で落車のアクシデント。今シリーズを見据えての調整で「状態は悪くなかった」と振り返る川口G1開設記念。しかし、最終日11Rの1周1コーナー手前で大きくバランスを崩して痛恨の落車。エンジントラブルも生じた。10日のSG前検日のロッカーでは、さすがに不安な表情を隠せない。
 それでも、わずか1週間で懸命に立て直しを図ってきた。「エンジンは組み直してフレームとメタルを交換。同期や後輩たちに腰周りを手伝ってもらった」と言う。「地元SGといっても、目の前のレースをしっかり走るだけ」とあくまで“一走入魂”を強調する木村。昨年9月に川口オートGPでSG初優勝を飾った後も、同11月に伊勢崎日本選手権でSG連覇を達成してからも、そのスタンスは変わらない。その意味では、大舞台が直後に控えたレースでの落車も、一走入魂を貫く木村“らしさ”なのかもしれない。
 初日12R「スーパードリーム戦」には、昨年大みそかに船橋スーパースターを制した高橋貢だけでなく、SG最多連続優出記録を更新中(現在15連続)の有吉、木村と同じ昨年SG2Vの永井ら強敵がひしめきあう。木村にとって、いきなり試練の一戦となるが「走ってみないと分からないけど、とにかくベストを尽くし、いいレースがしたい」と地元ファンの熱い声援に懸命の走りで応えるつもりだ。

 ◆木村 武之(きむら・たけし)1977年(昭52)8月6日、千葉県鎌ケ谷市生まれの32歳。99年4月1日登録の26期。浜松支部所属。同期は田中茂、篠原睦、久門徹ら。通算45V(SG2V、G18V)。SG優出11回。趣味はマリンスポーツ。1メートル68、50キロ。血液型O。

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2010年2月11日のニュース