【プロキオンS】新星誕生!ランザローテの父はアイツ

[ 2009年7月13日 06:00 ]

<プロキオンS>ランザローテ(中)がトーホウドルチェ(左)を差し切り勝利(右はサイキョウワールド)

 阪神のダート重賞「第14回プロキオンS」はランザローテが重賞初制覇。砂の短距離界に新星が誕生した。

 ランザローテは6歳にしてキャリア10戦目。体質が弱かった上、一昨年に右前屈腱炎を患って1年8カ月の休養を強いられたためだが、腱への細胞移植手術を経て復帰。今ではすっかり力強くなった。今回の重賞初Vも、ビシビシ追えたことが最大の要因だ。
 「追い切りはもうひとつでしたが、直前に坂路でサッとやれたのが良かったようですね。うなるような感じが出てきましたから」
 池江寿師の得たその手応えを、レースで武豊が存分に引き出して見せた。
 スタート直後。ひとつ、枠が外の1番人気トーホウドルチェが抜群の出脚で内に切り込む。ここで武豊は相手を先に行かせて直後の外を追走、ドルチェをマークする形を築いた。出来の良さを示すように道中の手応えは抜群。相手は1頭とばかり、決め打ちしたようなレース運び。直線は粘るドルチェを徐々に追い詰め、きっちり頭差かわしたところがゴールだった。
 「理想的なレースができましたね。相手も強い馬。最後まで分からなかったけど、よく頑張ってくれました」
 武豊の短いコメントに、会心の手綱さばきだったことがうかがえる。
 池江寿師は、この馬を「母の父ワイルドアゲインに生き写し」という。アグネスタキオン産駒によるJRAダート重賞初制覇を果たした異色の大器が、いよいよ全開だ。次走は「小回り1400メートルを経験させるため」サマーチャンピオン(8月17日、佐賀)へ。最大目標のJBCスプリント(11月3日、名古屋)まで一気に突っ走る。

 ◆ランザローテ 父アグネスタキオン 母トキオタヒーチ(母の父ワイルドアゲイン)牡6歳 栗東・池江寿厩舎所属 馬主・(有)キャロットファーム 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績10戦6勝 総獲得賞金1億29万1000円。

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2009年7月13日のニュース