4つの上積みグッドババ/安田記念

[ 2008年6月5日 06:00 ]

芝コースの感触を確かめるかのように、軽めのキャンターを行うグッドババ

 安田記念で過去2勝を挙げている香港馬。今年も世界レベルの精鋭3頭が来日したが、中でも注目されるのはグッドババだろう。国際G1を含めて目下5連勝中で、レーティング122は日本馬を含めて最上位だ。昨年の安田記念は7着に終わったが、管理するシュッツ師は雪辱に自信満々。その根拠とは――。

 グッドババの取捨選択のポイントははっきりしている。7着に敗れた昨年からの“上積み”がどれだけあるのか。シュッツ師は自信たっぷりだ。
 パワーアップ。安田記念後の休養から復帰した昨秋以降は6戦5勝で、目下5連勝中。師は「昨年と比べて体重が増え、馬体がしっかりしてきた。それにつれて、いいレースをするようになった」と馬体の充実を好成績の要因に挙げた。4日の調教後の馬体重は492キロ。昨年の安田記念時は486キロだったが、直前のレースから8キロ増での出走で、当時のベストは470キロ台後半。10キロ前後はパワーアップした計算で、昨年とは馬が違う。
 地元仕様。当初は香港で使用している飼料が日本で使えない可能性があったが、クリアされた。海外経験豊富なブリッシュラックと違い、グッドババは全26戦中25戦が香港でのレース。環境の変化に慣れているとは言い難いだけに、地元と同じ条件でやれるのは大きい。また、昨年騎乗したサンマルタンは安田記念が初コンビだったが、今回は主戦のドゥルーズ。師は「飼料や騎手といった1つの“パッケージ”を変えずにやりたかった」と満足げだ。
 メジャー不在。師は昨年の結果について「ダイワメジャーが強かった」と優勝馬の実力に脱帽した。しかし、これも裏を返せば「メジャー不在なら…」との本音が透けて見える。昨年5着のスズカフェニックスとはタイム差なし。そのスズカが人気の一角を担う今年のメンバーなら、勝機十分とみているに違いない。
 1億円の“にんじん”。グッドババは前走でアジアマイルチャレンジ第3戦のチャンピオンズマイルを制しており、安田記念を勝てば1着賞金(1億円)をも上回る100万ドル(約1億500万円)のボーナスが交付される。06年に同様の条件だったブリッシュラックがVを飾ったように、本気度は高い。
 残るポイントは来日後1度も速い時計を出していないことだが「馬の状態はいいし、期待は大きい」と師の自信は揺るぎない。実績、条件とも文句なし。6日の最終追い切りが万全なら、グッドババが2億円を手にする可能性は十分とみる。

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2008年6月5日のニュース