ここ一本シェイディ絶好/安田記念

[ 2008年6月5日 06:00 ]

レッズフィールド(奥)と併せ追い切るエアシェイディ

 春のマイル王決定戦「第58回安田記念」の追い切りが4日、美浦、栗東両トレセンで行われた。美浦では“未完の大器”7歳エアシェイディが文句なしの気配をアピールした。

 さすがの躍動感。安田記念一本に絞ったエアシェイディが絶好の気配だ。最終追いはWコース。5F地点では前を行くレッズフィールド(3歳500万)との差は6馬身はあった。4コーナーで外に進路を取り、後藤が軽くゴーサインを送るとグイッと体を並べたところがゴール。前日の雨をたっぷり吸った走りにくい馬場状態を考えれば、5F65秒5は上々だ。
 後藤は「先週の時点ではちょっと重かったという話だけど、このひと追いでちょうど良くなりそう。精神的にも大人になった。このリズムなら不安なくいける」と好感触を伝えた。
 年明け3戦。堅実な末脚で中山金杯2着、AJC杯1着、中山記念3着と好走した後は、じっくり間隔を空けてマイルG1に絞った。伊藤正師は「早くから安田記念を想定して1カ月半前に(宮城の)山元トレセンから戻した。面白いぐらい予定通りにきてる。もともと速い時計をバリバリ出す必要はない馬だし、繊細なので鉄砲でも走る。調教師がいらない馬なんです。競馬を教えるために中距離を使ってきたが、もともとマイルは得意だから」と一本に絞った理由を語った。
 最多13戦に騎乗してきた主戦・後藤だが、芝1600メートルで挑むのは偶然にも初めて。「やっとマイルで乗れる。シェイディはずっとマイルにいい印象を持っていた。それ以上長い距離だと考えながら乗らないといけないので…」と後藤も手ぐすねを引いている。
 2度の骨折がなければ、とうの昔にG1を獲っていたはずの大器も気が付けば7歳春。伊藤正師は「本来の力が出せるような精神状態になってきた。これがレースでも持続できれば…。今回の結果次第で宝塚記念も考えている」と話す。愛弟子の後藤も「ようやく自信を持ってG1を迎えられる」と愛馬に目を細めた。関東期待の遅れてきた大物シェイディに懸かる期待は熱く、そして大きい。

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2008年6月5日のニュース