ユキチャン オークスVまで突っ走るかもよ!!

[ 2008年4月24日 06:00 ]

ポリトラックをナイトレセプションと併せて追い切り、後ろから追走するユキチャン

 ピンクがかって透き通るように白いサラブレッド。競走馬の毛色としては極めて珍しい白毛のユキチャンが、今週のフローラSにオークス出走権(3着以内)を目指して出走する。前走のミモザ賞で白毛馬による中央競馬初の芝&特別レースVを成し遂げ、今回は初の白毛馬による重賞挑戦となる。管理する“白毛マイスター”の後藤由之調教師(54)にユキチャンの可能性を語ってもらった。

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ユキチャンは白毛界の“お姫様”

白毛馬初の重賞参戦ユキチャン!!

 ――純白のサラブレッドが直線堂々と抜け出してくると、中山競馬場のスタンドから異様などよめき。3月29日のミモザ賞。地鳴りのような声はやがて歓声へと変わり、先頭でゴールすると割れんばかりの拍手。話題先行だった白毛馬ユキチャンが実力を証明してオークス候補に大躍進した瞬間だ。
 後藤師「正直、急仕上げで満足のいく出来ではなかったので…。こちらが考えているより走る!と興奮した」
 ――ユキチャンの母シラユキヒメ、2つ上の兄シロクンも現役時に管理していた後藤師は、白毛馬の特性を比較しながら語れる唯一の調教師。これまでは苦労の連続だった。
 シラユキヒメは筋肉も脚元も非常に弱くて、まともに調教ができなかった。白毛というのは弱いものなんだと考えざるを得なかった。
 ――しかし、1番子のシロクンで少し違うイメージを抱き、ユキチャンの活躍によってある思いが確信へと変わったという。
 シロクンが走れなかったのは、競走馬によくある病気の「のど鳴り」が原因。肉体的には2つくらい勝てるレベルだった。ユキチャンはこの戦績。母は確かに体質自体が弱かったけど、子供たちはそんなことはないんだ。突然白毛に出た母とは違うのかも。白毛=体質が弱いという固定観念は捨てるべきだ。
 ――ユキチャンは経験豊富な理論派トレーナーをも驚かせるパフォーマンスを見せている。ミモザ賞は脇腹を痛めてひと息入った後の実戦、しかもダート1200メートル→芝2000メートルと全く条件の違うレース。8番人気の低評価も当然だった。
 あれだけ急仕上げで激走したのに、疲れのかけらもない。普通ではちょっと考えられないね。今度はしっかりと調整してレースに臨める。予定通りというより、予想以上に良くなっている。
 ――白いこと以外は普通の競走馬と変わらないどころか、前走時で502キロと牝馬にしてはかなり馬格がある方。性格もまじめで鞍上の指示に素直に従うタイプ。心身ともオークスに挑戦する資格十分の逸材だ。
 今の実績ではまだ強気なことは言えない。ただ、もっと走って不思議のない馬だと思う。力は入るよ。風が吹いてきている気がするね。
 ――オークス戦線はまだ主役不在。フローラSの結果次第では「白毛馬がクラシックV」という超ド級の大ニュースも現実味を帯びてくる。文字通り“異色”のニューヒロイン候補誕生なるか、見逃せない一戦だ。

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2008年4月24日のニュース