「豊臣兄弟」“大河初”市が浅井長政を介錯!ネット衝撃のシーンは「一発勝負」「初期の構想」演出語る狙い

[ 2026年5月3日 20:45 ]

「豊臣兄弟!」チーフ演出・渡邊良雄監督インタビュー

大河ドラマ「豊臣兄弟!」第17話。市(宮崎あおい)は最愛の夫・浅井長政に刀を振りかざし…(C)NHK
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 俳優の仲野太賀(33)が主演を務めるNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜後8・00)は3日、第17回「小谷落城」が放送され、俳優の中島歩(37)が好演してきた“義の戦国武将”浅井長政の最期が描かれた。18年ぶりの大河凱旋を果たした市役の女優・宮崎あおい(40)が最愛の夫を介錯し、返り血を浴びる衝撃のラスト。“大河史上初”となる長政の最期の描写となった。同回を担当したチーフ演出・渡邊良雄監督に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 NHK連続テレビ小説「おちょやん」などの八津弘幸氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ通算65作目。“天下一の補佐役”豊臣秀長を主人公に、豊臣兄弟の絆と奇跡の下克上を描く。兄・豊臣秀吉役は俳優の池松壮亮が演じる。

 第17回は武田信玄(髙嶋政伸)が対織田の兵を挙げて遠江へ侵攻し、三方ヶ原で迎え撃った徳川家康(松下洸平)は大敗。足利義昭(尾上右近)も京で挙兵し、織田信長(小栗旬)は絶体絶命と思われたが、何故か急に武田軍が撤退。義昭は後ろ盾を失う。信長は危機を脱し、浅井・朝倉攻めを再開。浅井長政(中島歩)は進退窮まり、小谷城に籠城。木下小一郎(仲野太賀)と木下藤吉郎(池松壮亮)は何とか市(宮崎あおい)たちを救い出したいが…という展開。

 長政の覚悟は揺るがず。小谷城を出る途中、小一郎は悲しむ市に“約束の話の続き”(第12回・3月29日)を始めた。

 湖の水をすべて飲み干し、溺れていた娘を助けた大男。大好きな娘を抱き締めようとしたが、膨れ上がった腹が邪魔に。大男は自ら針を腹に刺した。それは今、自刃した長政。鉄砲水のように腹から水が吹き出し、大男は空へ。月となり、娘を優しく見守った。月の満ち欠けは、大男の腹なのかもしれない。

 市は涙を流し「わたくしはいつも思うておった。兄上が太陽なら、殿は月のようじゃと。(小一郎に)刀を…頼む」。長政のもとへ戻り「すぐに楽にして差し上げまする。(刀を振りかざし)わたくしは変わりませぬ。いつまでも、あなた様をお慕いしております。御免」――。最愛の夫を介錯した。市の顔を長政の血が染める。

 SNS上には「まさかの最期だよ…衝撃が…お市様…」「鬼脚本」「『(おんな城主)直虎』の槍ドン級の介錯」などの声が続出。衝撃が走った。

 極めて異例かつ異色の長政と市の別れ。作劇について、渡邊監督は「市が長政を介錯するというのは、クランクイン(昨年6月5日)より前の、かなり初期の段階で、八津さんと(制作統括の)松川(博敬チーフ・プロデューサー)と本打ち(脚本の打ち合わせ)をしていて、『豊臣兄弟!』における市のキャラクターを考えている時に生まれたアイデアです。ただ単に政争の具になったのではなく、主体性のある女性として信念の強さを描きたい。そこに、織田・浅井の家を抜きに、人として気持ちが通い合った2人だからこその終幕は、どういう形だと説得力があるのか、という要素も絡み合って、このストーリーに至りました。すべての大河ドラマを見ているわけではありませんが、僕が知る限り、かつてない設定だと思います」と振り返る。

 第13回(4月5日)の相撲対決「長政VS信長」が、今回の「長政VS小一郎&藤吉郎」の伏線に。重要なモチーフとなった。これは八津氏のアイデアで「(近江・常楽寺で)長政と信長が相撲を取って、義兄弟の距離は物理的にも心理的にも近くなりました。信長との再戦は叶いませんでしたが、長政は木下兄弟との勝負で2人の中に信長を見ます。2人を投げ飛ばした、つまり信長を打ち負かしたと思えることで、この世への未練を断ち切り、覚悟を決めることができたのではないでしょうか。見事な展開だと思いました」と解説。八津氏の筆を称えた。

 介錯のシーンは昨年末、2025年最終撮影日にカメラに収めた。

 「宮崎さんが顔に血しぶき、しかも介錯の返り血を浴びるというのは、彼女のキャリアの中でもなかなかないことだと思います(笑)。もちろん役者さんですから、特に抵抗なく臨んでくれました。年内最後の撮影ということもあって、キャストのみんなも感極まっていましたし、宮崎さんもいつも以上に気持ちが入っていたので、僕の方から細かいお願いはしていません」

 ただ、メークや衣裳に血糊が付くため、やり直しは利かず、一発勝負。「返り血を浴びるということは、つまり長政の思いを受け止めるということ。血糊の量やかかる場所についてはこだわりました。特殊効果の担当者がカメラの横にいて、手動で血糊を噴出するのですが、僕が望んでいたドンピシャの量と位置で(笑)。うまくいって、感謝しています」と一発撮りの様子を明かした。

 宮崎が主演を務めた08年の大河「篤姫」や、語りを務めた23年度前期の連続テレビ小説「らんまん」などに続く3回目のタッグ。「『篤姫』の時は僕が4番手の演出で、宮崎さんは当時、史上最年少で大河主演(22歳)。まだ少し幼さも残る印象がありましたが、今は母親にもなって、役者としての成熟以上に、人としての成熟を実感しました」と語った。

 浅井長政の最期を描く大河ドラマは13作目(スポニチアネックス調べ)。映像が確認できる1973年「国盗り物語」以降、自刃した長政を市が介錯したのは今回が初。これまでは「自刃シーン(1シーン)+語り」「自刃シーンなし」がほとんど。介錯役が横にいるケースもあったが、それはいずれも侍だった。

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