尾上左近 「染團辰」新時代 3日襲名、三代目・辰之助が語る夢 女形兼ねる二刀流

[ 2026年5月2日 05:30 ]

ポーズを決める尾上左近(撮影・尾崎 有希)
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 歌舞伎俳優の尾上左近(20)が3日に初日を迎える「團菊祭五月大歌舞伎」(東京・歌舞伎座)で、三代目尾上辰之助の襲名披露を行う。辰之助は祖父と父の尾上松緑(51)が名乗った名跡で、代々荒々しい立役を中心に活躍してきた。だが、三代目は女形も演じる二刀流の「兼ねる役者」。襲名披露という大舞台を前に「兼ねる役者として目指すところは、七代目尾上菊五郎のお兄さん。祖父の初代辰之助、七代目という2つの憧れに向かって努力していきたい」と意気込んだ。

 左近時代は同世代の市川染五郎(21)、市川團子(22)とともに「染團左(そめだんさ)」と呼ばれた。それぞれが異なる個性を持ち「友達ではなく戦友」と表現する。「3人がそれぞれの道を行って、たまに交差することで爆発的な面白さを発揮する存在になっていきたい」。襲名後は「染團辰(そめだんたつ)」として、歌舞伎界に新たな息吹を吹き込んでいく。

 「染團辰」として切磋琢磨(せっさたくま)するのは歌舞伎だけではない。出演を熱望するのはNHK大河ドラマ。既に染五郎は2022年「鎌倉殿の13人」に出演し、團子も今年「豊臣兄弟!」に出演予定。自身の本名はくしくも「藤間大河」だ。「1月にエゴサをした時に“染五郎と團子は大河俳優、左近はただの大河”と書かれまして。それが気になってしょうがない」と悔しさを味わった。

 曽祖父の二代目尾上松緑は1963年の大河1作目「花の生涯」の主演。祖父と父も出演経験があり、「特に深い思い入れがある」といずれは4代での大河出演を夢見る。

 祖父は87年に40歳で早世した。「僕の節目は40歳だと思っている。今年はスタート。40歳までに一つ形になっていたい」と未来の姿を描く。「歌舞伎役者であるという芯を忘れずに、いろいろなことをしていきたい。僕が辰之助として生きることで、初代を現代のお客さんに知ってもらいたい」。自身の成長が、祖父の名声をより高めると信じている。前途有望な「兼ねる辰之助」が歌舞伎界を彩っていく。

 ≪目標菊五郎と襲名披露演目≫襲名披露の演目は古典の名作「寿曽我対面」「鬼一法眼三略巻(きいちほうげんさんりゃくのまき)菊畑」。寿曽我対面は鎌倉時代の曽我兄弟のあだ討ちを描いた作品で、目標とする七代目菊五郎も出演。「ただならぬ思いで立ってくださると思うので、そこに突撃するしかない」と気を引き締めた。一方の菊畑は、愛らしい幼少期の源義経を中心とした登場人物の駆け引きが見どころ。「辰之助として恥じないような姿を見せたい」と気合を入れた。

 ◇尾上 左近(おのえ・さこん)本名藤間大河。2006年(平18)1月20日生まれ、東京都出身の20歳。14年に三代目尾上左近を名乗り初舞台。今年2月には新世紀エヴァンゲリオンを原作とした「歌舞伎交響曲第急番 エヴァンゲリオン」に渚カヲル役で出演するなど新作歌舞伎でも活躍。

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