森永卓郎さん 長男・森永康平氏が語った愛された理由「常に弱者の立場で発信していた」

[ 2025年12月28日 07:00 ]

13年、メガネベストドレッサー賞を受賞し、笑顔を見せる森永卓郎さん
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 【激動2025芸能・社会(6)25年著名人レクイエム(上)】今年も多くの著名人が亡くなった。「モリタク」の愛称で親しまれた経済アナリストの森永卓郎さんが1月28日、原発不明がんで死去。享年67。トレードマークの眼鏡姿に、親しみやすい人柄。バラエティー番組などにも出演して人気を集めた。2023年12月にはステージ4のすい臓がんと診断されたと公表。闘病中も病床から執筆を続け、ラジオを中心にメディア出演を続けた。長男で同じく経済アナリストの森永康平氏(40)がスポニチ本紙の取材に応じた。(松尾 知香)

 父の死からまもなく1年。生前の父を知る人々から仕事人としての「森永卓郎」を聞く機会が増え、価値観や哲学を受け継いでいることを実感している。

 「なるべく依頼された仕事は引き受けることや、スケジュールがパンパンになったとしても仕事の時間や締め切りは絶対に守る。他人からの評価や地位・名声などは一切気にせず、自分が興味のあることに没頭するといった癖が似てるなどの指摘をよく受けます」

 卓郎さんはがんで余命を宣告されても「がんと闘います」と入院はせず、通院で抗がん剤治療を受けながら自身の病状や体調、治療などを積極的に発信。最後まで仕事を全うしようとした。亡くなったのは1月28日の午後1時33分。その約5時間半前の午前8時からラジオ番組への出演を予定していた。最終的に出演は見合わせとなったが、放送前にスタジオと電話をつないだ際の会話が公開された。声は小さく、体調不良は明らかだったが「お休みしまーす」と明るく話し、最後まで相手を気遣った。

 息子としては「体調が悪い中で無理して働いてほしくない」と複雑な心境だったが、完治の可能性がほぼなく余命4カ月の宣告。「本人が好きなようにして人生を走り抜ける方がいいのだろう」と見守ることに決めていたという。旅立つその日まで、父はすさまじい執念を見せた。

 ラジオで共演した大竹まことやフリーアナの垣花正をはじめ、芸能界だけでなく、ネット上でも追悼の声があふれた。これだけ人々に愛された原点は何だったのか。卓郎さんは毎日新聞元記者だった父・京一さんの転勤などで、小学生時代は米国ボストンなど海外各地で過ごした。「その際に人種差別やいじめに遭ったようで、そのときのトラウマなのか、常に弱者の立場から発信をしていたように思います」。収集家という「オタク」な一面も持ち合わせた。高価なものには手を出さず、ミニカーやグリコのおまけなどを集めた。一般市民と同じ目線で時に痛烈に政権批判もした。

 「メディアだとエリートや勝ち組とされる人々が意見を述べるケースが多い中で、そのポジションが希有(けう)だったのかなと。良くも悪くもキャッチーで分かりやすいフレーズを使っていたので、大衆に刺さりやすかったのではないか」

 病と闘いながら、仕事を愛して走り抜けた67年。あっぱれな生きざまだった。

 《B宝館受け継いだ次男「役割を全うしたい」》卓郎さんが収集したコレクション約13万点を展示した埼玉県所沢市のB宝館は現在も「毎月第1土曜日」限定で開館している。
 2代目として館長を引き継いだのは「桜城蘭」こと卓郎さんの次男。幼少期からコレクションに囲まれ、父の「英才教育」を受けて育った。お菓子のパッケージやファミレスのつまようじもお宝。普段は温厚な父だったが展示の保存状態には厳しく「物を雑に扱う時だけ怒られた」。今後に関して頼まれたことは「実は一度もない」というが、将来を案じた桜城氏が公式サイトやSNSを立ち上げ、卓郎さんが闘病の際は館長代理を務めた。
 現在も“ビンボーでおバカだけど、ビューティフルな博物館”として多くの人に愛されている。息子として「できる限りの役割を全うしたい」と意気込んでいる。

 みのもんたさん(80)3月1日死去(タレント)
 文化放送「セイ!ヤング」初代DJ。退社後はTBS「みのもんたの朝ズバッ!」や日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW」などで司会。2006年「1週間で最も多く生番組に出演する司会者」ギネス世界記録に認定。

 いしだあゆみさん(76)3月11日死去(女優)
 「ブルー・ライト・ヨコハマ」が150万枚のミリオンヒットとなり、NHK紅白歌合戦で3度歌唱。女優としてもフジテレビ「北の国から」や“金妻ブーム”を巻き起こしたTBS「金曜日の妻たちへ」の名演でお茶の間の人気を博した。

 篠田正浩さん(94)3月25日死去(映画監督)
 「心中天網島」「瀬戸内少年野球団」「少年時代」など数多くの名作を残し、大島渚監督や吉田喜重監督とともに松竹ヌーベルバーグの旗手と呼ばれた。妻で女優の岩下志麻(84)とはおしどり夫婦として知られた。

 露口茂さん(93)4月28日死去(俳優)
 俳優養成所を経て、テレビドラマ「太陽にほえろ!」の「落としの山さん」役で人気を博した。声優としても活躍。「シャーロック・ホームズの冒険」で主人公のホームズ役、「耳をすませば」のバロン役などを演じた。

 藤村志保さん(86)6月12日死去(女優)
 大映の時代劇映画やNHK大河ドラマ「太閤記」などで活躍。1983年に女優として初めて放送番組向上委員会委員に就任した。臓器移植を題材にした「脳死をこえて」を上梓(じょうし)するなど社会へのメッセージを発信した。

 ジェームス三木さん(91)6月14日死去(脚本家)
 NHK連続テレビ小説「澪つくし」や大河ドラマ「独眼竜政宗」などを手がけた。前夫人の暴露本で女性遍歴が明かされ、世間から激しいバッシングも。名誉毀損(きそん)で提訴し、離婚する大トラブルになった。

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