「ばけばけ」年内最後でトキ&ヘブン成就!異例演出の狙い「余韻優先」OP→ED白背景に&次週予告なし

[ 2025年12月26日 08:15 ]

連続テレビ小説「ばけばけ」第65話。松野トキ(髙石あかり)とレフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)は夕暮れの宍道湖畔を散歩し…(C)NHK
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 女優の髙石あかり(23)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は26日、第65回が放送され、年内最後のオンエアで主人公・松野トキと英語教師レフカダ・ヘブンの想いがついに通じ合う姿が描かれた。ラスト約2分の終盤に持ってきたタイトルバックは映像内容を変更し、白地に黒字のクレジットのみ。さらに、金曜本編後の次週予告もなしという異例&異色の演出。3カ月にわたって丹念に、繊細に積み重ねた2人の軌跡が最高潮に達し、多幸感に包まれた。制作統括の橋爪國臣チーフ・プロデューサー(CP)とチーフ演出の村橋直樹監督に舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「バイプレイヤーズ」シリーズやNHK「阿佐ヶ谷姉妹ののほほんふたり暮らし」など会話劇に定評のある、ふじきみつ彦氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算113作目。松江の没落士族の娘・小泉セツと、その夫で日本の怪談を世界に紹介した明治時代の作家・小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)をモデルに、怪談を愛してやまない夫婦の何気ない日常を描く。

 第65回は月照寺からの帰り、松野トキ(髙石あかり)は松野銀二郎(寛一郎)からプロポーズ。レフカダ・ヘブン(トミー・バストウ)はイライザ・ベルズランド(シャーロット・ケイト・フォックス)から、2人で一緒に海外で滞在記を書かないかと誘われる…という展開。

 銀二郎は帰京、イライザは離日。お互い独りになったトキ、ヘブンは松江大橋でバッタリ出くわした。

 ヘブン「サンポ…サンポ、イッテキマス」

 トキ「あのー、私も…ご一緒してええですか」

 ヘブン「ハイ」

 夫婦デュオ「ハンバート ハンバート」による主題歌「笑ったり転んだり」がかかり始め、タイトルバック映像へ。いつものトキとヘブンの静止画はなく、白バックに黒字でキャスト・スタッフのクレジットだけが表示される。

 曲が流れる中、夕暮れの宍道湖畔を歩くトキとヘブンを捉えたロングショット。主題歌が終わると、水面の音だけが響く。ヘブンがトキの手を取る。2人がカメラに近づいてきて、画面から消えると、その向こうには、今まさに水平線に沈もうという夕日――。

 この間、台詞はない。次週予告もなく、美しい宍道湖の夕景が余韻を残した。

 今年のラスト回にして、全25週の折り返し。前半最大のクライマックスを年の瀬に持ってきた。

 第13週のサブタイトルは「サンポ、ショマショウカ。」。主題歌の歌詞にも「散歩」のフレーズがある。

 今作の制作にあたり、重要な参考文献となったのが、八雲との13年8カ月にわたる結婚生活をセツさんが記した回想録「思ひ出の記」。橋爪CPは「ハンバート ハンバートさんに台本を読んでいただいたわけではなく、『思ひ出の記』を読み込んでくださって出来上がったのが今回の主題歌。『思ひ出の記』には“散歩”という言葉がよく登場するんです」。ふじき氏、プロデューサー・演出陣からも「散歩」が同時多発的にキーワードとして挙がり「トキとヘブンの空気感に対する解釈が一致しました」と振り返る。

 村橋監督も「“アイラブユー”“ミートゥー”みたいな2人の結ばれ方は想像がつかない、“散歩しませんか?”ぐらいの距離感ですよねと、ふじきさんとも話をしていました。一番大事な回の一つで、ふじきさん、(作詞・作曲の)佐藤良成さん、我々現場が同じフィルターで“散歩”というものを抽出できたのが大きかったと思います」と付け加えた。

 主題歌とタイトルバックに入るのは、開始から約13分。村橋監督は「今、お話しさせていただいた通り、三位一体で作っていった部分なので、この散歩のシーンと主題歌は切り離せない。主題歌とタイトルバックを後ろに持ってくるイメージは、割と早くからありました」と明かした。

 実際に宍道湖でロケ。日没を待つため、湖畔には1時間半ほど滞在。一発撮りだが、撮影自体は10分もかからなかったといい、首尾よく運んだ。

 橋爪CPは所用のため現地に行けず。「編集の上がりが楽しみで仕方なく、ただただ感動しました。あれだけ美しい夕日が偶然撮れたのは、自然の後押しもあったのかな、と。編集室で一緒に見たプロデューサーの田島(彰洋)は号泣していました」。タイトルバックは真っ白な背景に、黒字のテロップだけ表示されるだけのシンプルなものとなったが「色々な方法があると思いますが、今回はトキとヘブンのスチール写真を思い切って外し、主題歌だけを聴いていただくのが一番いいんじゃないかと、その場でみんなに相談して、この形になりました。朝ドラとしてはチャレンジでしたが、敢えて映像では何も表現しないことの良さが伝わるとうれしいです」と狙いを語った。

 朝ドラで主題歌とタイトルバックをエンディングに持ってくることは、ヤマ場回や最終回などで度々あるが、映像内容を変更。さらに今回は次週予告も外した。

 村橋監督は「次週予告は14週も担当している私が作るはずだったのですが、13週のラストを編集してみて『この後の20秒間に、蛇と蛙(阿佐ヶ谷姉妹)が話す言葉って何だろう』と考えた時、『何も言わずに見守ってるだろうな』と感じたんです。つまり次週の出来事を語るべきではない、と。年をまたぐ放送回でもあるし、連続ドラマコンテンツである以上、次週予告は入れるべきなのでしょうが、ワガママを言って余韻を優先させてもらいました」と裏側を明かした。

 トキとヘブンと結婚は最初のプロットから折り返し付近で描く構想だったが、橋爪CPは「ここまできれいに年内最後の放送を締めくくることは狙っていませんでした。あまりにも美しく終わったので、何だか最終回のような雰囲気もありますが、年明けから2人の結婚と、結婚生活を描きます。今までの朝ドラよりゆっくりと物語を紡いできましたが、ありがたいことに好評のご意見をたくさん頂き、我々の目指していることが伝わっているんだと、感謝しています。後半戦もペースは変わりませんが、引き続きお楽しみいただけると幸いです」と呼び掛けた。

 年末年始を挟み、来年1月5日から第14週「カゾク、ナル、イイデスカ?」に入る。

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