【M-1】王者たくろう 技術論に逆行する“緩さ”「技術、アイデアとか…シンプルでいいんじゃ」

[ 2025年12月22日 00:05 ]

「たくろう」の赤木裕(左)ときむらバンド
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 漫才日本一を決める「M-1グランプリ2025」が21日、開催され、初の決勝に進んだたくろうが王者に輝き、優勝賞金1000万円を獲得した。

 ファーストラウンドでは、ボクシングのリングアナウンサーを夢見て突然、挑戦し始めるきむらバンド(35)に対し、赤木裕(34)がそれっぽいテキトーな相づちで掛け合いをし、笑いを連発した。861点を獲得し、エバース(870点)に次ぐ2位で突破した。

 さらにファイナルラウンドでは、ビバリーヒルズに住んでみたいきむらが、セレブドラマの吹き替え調に小芝居をスタート。難色を示していた赤木が、徐々に乗り気になり、熱量を合わせるネタで爆笑をさらった。9人の審査員のうち、8票と圧倒的な支持を得ての新王者誕生となった。

 これまで賞レースでの優勝経験がなかった2人。シンプルな笑いの根底にあったのが、独特の緩さだった。

 大会終了後、2人はテレビ朝日系「有働Times」(後10・10)に生出演。本番で披露したネタについて振り返った。フリーアナウンサー有働由美子からは「間とか2人で(考える)?」と問われると、きむらは「間は全くです。2人ともおのおののやりやすい間でやる」と返答。計算とは無縁のフリーダム漫才だったという。

 この日はネタ合わせは1回だけだった。きむらは「僕ら、あまりネタ合わせしない。今日も1回くらいしか」と驚きの告白。赤木が「しない方がいい」と話すと、きむらが「緊張した方がおもしろい」と返した。この日の2本のネタで際立ったのが、赤木のおどおどしながら繰り出すボケの数々だった。

 2人の緩さを象徴するような逸話も明かした。18年に初めて準決勝に進んだものの、M-1の成績が徐々に落ち始めて危機感を募らせていたころ。きむらは「会議室を毎日ネタ合わせしようという時期があって」と振り返った。事務所の会議室を借り切って、ネタ造りをするのかと思いきや…。「ネタ合わせするかなと思ったら、4時間ゲームして、しんどなって今日は帰りましょうという帰って行く。ネタ合わせしているフリだけして」。ストイックとは無縁の日々を過ごしていたという。

 現在のM-1は審査員全員がお笑い芸人で、大半がM-1決勝経験者。出場者は、評論も間や技術的なポイントを指摘されることが多くなった。そんな技術ありきの漫才とは逆行し、シンプルに笑いを突き詰めたのが、たくろうの漫才だった。審査員のアンタッチャブル柴田英嗣は「たくろうの2本目は100付けてもいいくらい気持ち良かった。後半笑いすぎて、聞いてなかった」と、満点評価を下した。

 きむらは「変に頑張りすぎると、お客様に笑ってもらうという根っこを忘れちゃう」と回顧した。「もっと技術をとか、もっとこういうアイデアを、とかなってしまう。シンプルでいいんじゃないか?僕ら2人でできることをやって、笑ってもらうのがいいんじゃないか?と言ってました」。唯一無二の雰囲気を作り出したのは、2人が大事にしてきた、たった一つの約束事だった。

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