【岸本加世子 我が道13】360度どこから見ても常に田村正和さん

[ 2025年11月14日 07:00 ]

NHK 大河ドラマ ドラマ「いのち」で、少女期役を演じた小林綾子さん(左)からバトンを受けた私(86年7月23日)
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 1980年代の半ばから後半にかけても素敵な作品に恵まれました。86年に放送されたNHK大河ドラマ「いのち」は橋田寿賀子先生のオリジナル作品。戦後40年の歩みの中、医療に情熱を燃やす女医の人生を描いた現代劇で、三田佳子さんが主演。私は集団就職で青森から上京し、大学の医学部を卒業して産婦人科医になる「岩田征子」の青年期を演じました。

 87年4月から5月にかけてはフジテレビの「アナウンサーぷっつん物語」に主演。名古屋のラジオ局に勤務していた女性アナウンサーが民放キー局に移籍するところから始まる物語で、毎週月曜日の午後9時からの放送。私「月9」の初代ヒロインなんですよ(笑い)。

 翌88年は、10月13日から12月22日まで木曜日の午後10時からフジテレビで放送された「ニューヨーク恋物語」に出演。半分以上をニューヨークで撮影しました。

 ドラマは、それぞれの事情を抱えてニューヨークにやってきた8人の男女の人間模様。私が演じたのは茅野明子。一人の男性との出会いをきっかけに、垢(あか)抜けなかった明子は恋の力で輝き、やがて自立していきます。オードリー・ヘプバーンのロマンチック・コメディー「麗しのサブリナ」(54年公開)を想(おも)わせる素敵な作品でした。

 主演は田村正和さん。エリート街道から外れ、会社を辞めてニューヨークで一旗揚げようともがく男。最終回の、田村さんがテラスで私の髪をシャンプーするシーンは本当にセクシーで…話題になりました。

 実際の田村さんも素敵な方。スタテンアイランドでの撮影。人が見ていようが見てまいが、360度どこから見ても常に田村正和さん。そういう方でした。

 共演の柳葉敏郎さんは1961年1月3日が誕生日、真田広之さんも1960年10月12日生まれで、私たちは同学年。ホテルで自炊しての共同生活も本当に楽しかったし、良き青春の思い出です。

 真田さんといえば、2024年、米テレビ業界最大の栄誉であるエミー賞で作品賞や真田さんの主演男優賞など18冠を獲得。翌25年1月のゴールデングローブ賞でもテレビ部門の作品賞や真田さんご自身の男優賞などに輝きましたね。

 そういえば、「ニューヨーク恋物語」の時から、通訳してくれてました。あの頃から英語を勉強していたんだと思います。

 充実の日々を送った80年代後半、人生の中でも特別な素晴らしい出会いがありました。「昭和の歌姫」と呼ばれた大スター美空ひばりさんです。次回からひばりさんとの秘話を記していきたいと思います。

 ◇岸本 加世子(きしもと・かよこ)1960年(昭35)12月29日生まれ、静岡県島田市出身の64歳。77年、テレビドラマ「ムー」で女優デビュー。以降、テレビ、舞台、映画、CMなどで幅広く活躍。ドラマ「あ・うん」、舞台「雪まろげ」、北野武監督の映画「HANA―BI」「菊次郎の夏」など代表作多数。著書に小説「出てった女」、エッセー「一途」など。

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