「あんぱん」“たまるかー!”土佐弁がネット話題“~ぜよ”に頼らないワケ 方言指導・西村雄正が語る裏側

[ 2025年4月5日 08:15 ]

「あんぱん」土佐ことば指導・西村雄正インタビュー

連続テレビ小説「あんぱん」第2話。パンを食べる朝田のぶ(永瀬ゆずな・右から2人目)と自分も食べたい朝田釜次(吉田鋼太郎・左から3人目)(C)NHK
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 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月~土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は3月31日にスタート。高知を舞台にした物語で、劇中の土佐弁がインターネット上などで話題を呼んでいる。主人公・朝田のぶが発し、感動や驚きを意味する感嘆詞「たまるかー!」や、語りを務める同局・林田理沙アナウンサー(35)が週を締めくくる台詞「ほいたらね!」などがそれ。「土佐ことば指導」を務める俳優の西村雄正(47)に舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX~外科医・大門未知子~」シリーズなどのヒット作を生み続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。中園氏は2014年度前期「花子とアン」以来2回目の朝ドラ脚本。今田は21年度前期「おかえりモネ」以来2回目の朝ドラ出演、初主演となる。

 西村は高知県土佐市出身で、2002年に俳優デビュー。高知を舞台にした映画「県庁おもてなし課」(13年)「あらうんど四万十~カールニカーラン~」(15年、主演)をはじめ、日本テレビ「デスノート」やNHK大河「花燃ゆ」などのドラマや舞台で活躍。16年から現在まで高知県観光特使も務める。

 「県庁おもてなし課」で方言指導に本格初挑戦。同じ高知が舞台となった23年度前期「らんまん」でも土佐ことば指導を担当したとあり「もう二度とないと思っていたので、今回『あんぱん』からオファーを頂いてビックリしました。『らんまん』で完全燃焼した感じもあったんですけど、『僕がやらなきゃ誰がやるんですか』ということで(笑)お引き受けしました」と振り返った。

 方言指導は台本チェックから始まり、キャストへの指南、キャストのための練習テープ作り、収録時の立ち会いなど多岐にわたり、多忙。「らんまん」「あんぱん」で特にこだわったのは、語尾の「~ぜよ」に頼らない土佐弁だ。

 「まず最初に、地元で普段使われているナチュラルな土佐弁を全国の視聴者の皆さんに提供したい、と思いました。土佐弁といえば『ぜよ』というフレーズが有名ですが、この大きなブランドに頻繁に頼ってしまうと、その作品の土佐弁のナチュラルさが薄れますし、『ぜよ』の音やインパクトが大きすぎて、そのシーンの肝が伝わりにくくなることもあります。そう考えて『ぜよ』は“ここぞ”という時にしか使わないようにしました。地元でも頻繁に使う人は少なく、僕も色々と調べまして、坂本龍馬も生活上は使っていたと思いますが、実は書いた手紙や書簡には『ぜよ』は一つもありません。“ノーぜよ”(笑)なんです」

 「らんまん」は坂本龍馬(ディーン・フジオカ)が口にした第3回以降、終盤まで未使用。「あんぱん」は第2回(4月1日)、朝田釜次(吉田鋼太郎)が屋村草吉(阿部サダヲ)に対して「舐めたらいかんぜよ~」と発し「今回は『らんまん』より多く登場しますが、使いすぎると効力が消えてしまうので、出しどころが大事になります。釜次ともう一人、『ぜよ』と口にするキャラクターがいるので、そこも楽しみにしていただければと思います」と予告した。

 「江戸の人でも明治の人でもなく、現代の地元の人が違和感を抱かない土佐弁にすることが僕の仕事で、そのことが作品力アップにつながると考えています。それは『らんまん』も『あんぱん』も一緒です」と屋台骨を支えている。

 台本チェックは単に台詞を土佐弁に変換するだけではなく、全国の視聴者が理解しやすい言葉、演者が口にしやすい音になるように直していく。特に印象に残るのは、第1回(3月31日)。出張から自宅に戻った朝田結太郎(加瀬亮)に対し、母・朝田くら(浅田美代子)は「ああ、結太郎。もんたかえ」と出迎え。「もんた」は土佐弁で「帰った」の意味。当初の台詞は「帰ったかえ」だったが、「もんたかえ」を提案した。

 「『もんた』だけだと意味が分からない視聴者の方々もいますが、芝居のシチュエーションやニュアンスで字幕などがなくても伝わるはずだと思って。『らんまん』の脚本・長田育恵さんもそうでしたが、中園さんも僕のアイデアを生かしてくださって、ありがたかったですね。くら役の浅田さんも『もんた』という言葉を気に入ってくださって、うれしくなりました」と明かした。

 SNS上には「竹野内豊の土佐弁に萌える」「加瀬亮の“にゃ”。もっと聴きたかった」「第1週で感心したのは、土佐弁の使い方の的確さ」などの声が続出し、反響。第2週以降も、心温まる“本場の土佐弁”を堪能したい。

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