今村翔吾氏 直木賞作家が思い描く大河の夢 転機は教え子の衝撃の一言で訪れた
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【俺の顔】時代小説家で直木賞作家の今村翔吾氏(40)には夢がある。「大河ドラマの原作を、いつか務めたい」。積極的にメディア露出し、多忙な中でも新刊を出し続けるのは、出版界の未来を守り、自身の夢をかなえるため。小説家の枠を超え、幾つもの顔を持つ男の目に映るものとは――。(吉澤 塁)
東京・神保町にある自身の書店「ほんまる」に立つ今村氏。垂れ気味の目が、豪快に笑うたび優しい半円を描く。無精ひげをたくわえた口は関西弁のマシンガン。壮大な夢が次々と飛び出して止まらない。今、最も顔を知られる小説家の一人。だが、その顔は1つではない。
「作家の顔、経営者の顔、もしかしたらイノベーターの顔。僕は出版界のチェ・ゲバラですわ。いや、文壇の大仁田厚かな」
そんな言葉通り「小説家」の肩書にとどまらぬ活躍ぶりだ。ラジオやテレビではコメンテーターの顔。全国で書店を経営し、出版界を盛り上げるプロジェクトを手がけるプロデューサーの顔もある。もちろん本業の作家として、普段は午前7時30分から深夜2時まで執筆の日々。「普通の人よりもタフなのかも。でもそれは自分の夢、憧れていた世界にいる高揚感が今も残っているから」という。
作家人生のスイッチは突然入った。「いつか小説家になりたい」と夢を抱きつつ、父が経営するダンス学校の講師をしていた30歳の頃。子供たちに夢を持つ大切さを説いたつもりが、教え子から衝撃のひと言。「翔吾君も夢を諦めたじゃん」。自身も気付かぬ甘えを見透かされた気がした。仕事を辞め小説家になる決意を固めた。
「一度決断したら世界が180度変わりました。思ったことを行動に移す、そんな生き方ができるようになったんです」
ネットで調べた文学賞の締め切りは4日後。原稿用紙100枚分の短編を一気に書き上げた。小学生の頃から池波正太郎の時代小説を読み込むなど「読書量は膨大だったのでそれが基礎になっていた。だから書けちゃいました」と振り返る。
その前年に両目の網膜剥離を患い3カ月入院するなど「目の前が真っ暗になった」という反動だろうか。キーボードを叩きまくった。年1本は長編を出版し、シリーズものも手がける多作ぶり。「僕はネタに困ったことは一度もないんですよ。文章力とか小説家に必要なステータスがいくつかあるとしたら“ネタ出し”の能力は負けません」。題材も戦国時代の石垣職人から有名な武将までさまざま。書くべき題材が面白いように見えてくる。「その場ですぐにテーマを提案できる、いわば究極のライブ作家ですわ」と胸を張る。
そんな今村氏が夢見るテーマは「世界へ」「日本の未来へ」の2つ。世界に通用する時代小説を書き、年々読書から離れていく若者が本の世界に戻る未来を思い描く。
それが22年に発売した「イクサガミ」シリーズで実現しつつあると感じている。明治を舞台にしたデスゲームを描く物語で若年層のハートをキャッチ。岡田准一(44)主演でNetflixでドラマ化されることも決定した。「映像化の話が来た時は震えましたね。だって、そこを目指して書いていたので。本当にオファーが来たんですから」
夢は見るだけでなく口にしてかなえていく。今一番の夢は大河ドラマの原作だ。「そもそも3歳で見た『独眼竜政宗』が歴史好きの原点。少年が大谷翔平に憧れてメジャーリーガーを目指すとしたら、僕にとってのメジャーは大河ドラマ」
記者が「大河ならどんな題材を?」と質問すると口元が緩んだ。「聖徳太子とかアリだね。意外と合戦もあるし。南北朝時代はまだ1回しかドラマ化されていないから、そろそろかなとも思う。でも、局の方向性通りに何でも書けますよ。だって僕はネタだけは困らないから」。その垂れ目を通して、どんな世界が見えているのか楽しみに待ちたい。
≪新しい文学賞創設「日本ドラフト文学賞」≫今村氏は先月、新たな文学賞「日本ドラフト文学賞」の創設を発表した。プロ野球のドラフト会議のように、出版社などの担当者が集まり、デビューさせたいと思う応募者を指名。重複した場合は抽選で交渉権を決める制度を導入した。選考過程はYouTubeなどで公開される。狙いについて「既存の文学賞だけで拾えない才能を発掘する狙いがある」と説明。「選考過程も見せることで、アイドルのオーディション番組のように、デビュー前から一人でも多くファンがつくように新人作家を応援できれば」と語った。
◇今村 翔吾(いまむら・しょうご)1984年(昭59)6月18日生まれ、京都府出身の40歳。2016年、「蹴れ、彦五郎」で第19回伊豆文学賞の小説・随筆・紀行文部門最優秀賞を受賞。17年に「火喰鳥 羽州ぼろ鳶組」でデビューした。22年1月に「塞王の楯」で直木賞を受賞。現在はABCラジオ「今村翔吾×山崎怜奈の言って聞かせて」でパーソナリティーを務めている。
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