宮藤官九郎 「ふてほど」の核となったもの 「工夫すればまだまだテレビドラマだって…」

[ 2024年8月8日 18:14 ]

「第40回ATP賞テレビグランプリ」授賞式に出席した宮藤官九郎氏(撮影・糸賀日向子)
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 脚本家の宮藤官九郎氏が8日、都内で開かれた、優れたテレビ番組などを表彰する「第40回ATP賞テレビグランプリ」(全日本テレビ番組製作社連盟主催)の授賞式に出席した。

 今年1月~3月に放送され、旋風を起こしたTBSドラマ「不適切にもほどがある!」がドラマ部門最優秀賞を受賞。スピーチで宮藤氏は同作について「主人公にはいくつか決まりのフレーズがあって、ちょめちょめばっかり皆言うんですけど、本当にそうかなという言葉があって。僕の創作の中の原点。いつも本当にそうかなという気持ちでドラマをつくっている気がして。今回なら、いろいろ工夫すればまだまだテレビドラマだってやりたいことができるんじゃないかというのがこのドラマの核になっている」と述べた。

 また、「目標があるんですけどこれから先も多分本当にそうなのかなっていうことがある限り、ドラマを作っていきたいし、テレビに関わっていきたいなと思っております。54歳になりましてね、もういい加減、若い人に譲ればいいのにって自分でも思うんですけどまだまだ歩き続けたいと思います」と意気込んだ。

 さらに、グランプリにも選出され「いつも一生懸命やってますけど、放送した時からいつも届いてないところに届いている実感がありました。いつも届いてないところの人たちにもほめれられましたし、怒る人もいるんだなと分かりました。今年会った人には不適切という言葉がつきまといますね。すいませんでした」と語った。

 宮藤官九郎氏がオリジナル脚本を手掛けたヒューマンコメディー。「池袋ウエストゲートパーク」「木更津キャッツアイ」の宮藤氏&阿部&磯山晶プロデューサーが「タイガー&ドラゴン」以来19年ぶりにタッグを組んだ。主人公は1986年(昭和61年)から2024年(令和6年)にタイムスリップしてしまった“昭和のダメおやじ”体育教師の小川市郎。彼の“不適切”な言動がコンプライアンスで縛られた令和の人々に考えるヒントを与えた。

 毎回、昭和と令和のギャップなどを小ネタにして爆笑を誘いながら、「多様性」「働き方改革」「セクハラ」「既読スルー」「ルッキズム」「不倫」「分類」、そして最終回は「寛容」と社会的なテーマをミュージカルシーンに昇華。コンプラ社会に押し付けがましくなく一石を投じる宮藤氏の意欲的な筆が冴え渡り、SNS上で大反響を呼んだ。

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