塩野瑛久「光る君へ」一条天皇の定子への愛の“暴走”は「平安の世では貴重な心の持ち主」別れの苦しさは…

[ 2024年8月4日 20:45 ]

大河ドラマ「光る君へ」で一条天皇を演じている塩野瑛久(C)NHK
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 俳優の塩野瑛久(29)が、吉高由里子主演のNHK大河ドラマ「光る君へ」(日曜後8:00)で脚光を浴びている。66代天皇の一条天皇役。最愛の妃・藤原定子(高畑充希)を亡くした悲哀を表現している。塩野は、一人の女性を一途に愛し抜いた一条天皇について、「平安の世の中では貴重な心の持ち主だったと思う」と語った。

<※以下、ネタバレ有>

 「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などを生んだ“ラブストーリーの名手”大石静氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。千年の時を超えるベストセラー「源氏物語」を紡いだ女流作家・紫式部の波乱の生涯を描く。大石氏は2006年「功名が辻」以来2回目の大河脚本。吉高は08年「篤姫」以来2回目の大河出演、初主演となる。

 定子はわずか15歳で11歳の一条天皇に入内。2人は姉弟のように仲良く育ち、やがて男女として愛し合っていく。高畑演じる聡明な定子と塩野演じる気品溢れる一条天皇。2人の絵画のように美しいラブシーンは多くの視聴者をうっとりさせた。しかし、定子の父・道隆(井浦新)の死をきっかけに2人の関係に暗雲が立ち込めていく。

 第18話「岐路」(5月5日)で一条天皇は道隆の次の関白に定子の兄・伊周(三浦翔平)ではなく道兼(玉置玲央)を任命。さらに道兼の死後に道長(柄本佑)を公卿のトップにする。一条天皇は定子を抱きしめながら「嫌いにならないでくれ。そなたがいなければ生きられぬ。許してくれ。側にいてくれ」と、切ない思いをぶつけた。塩野は「みんなで雪遊びしたりする分け隔てない関係を目指したけど、色々な思惑が渦巻いていく中でそれが叶わなかった。閉鎖されればされるほど、自分には定子しかいなくなる。自分の心の支えは定子しかいなかったのでは」と、一条天皇の苦しみを打ち明けた。

 さらに、第20話「望みの先に」(5月19日放送)で定子は伊周と弟・隆家(竜星涼)の「長徳の変」をきっかけに出家する。一条天皇は、それまで見せたことのない強い口調と眼差しで、定子を内裏に呼び戻すことを宣言。定子を寵愛するあまり、政治をなおざりにしていく。

 塩野は“暴走”する一条天皇について「そうならざるを得ない環境。どんどん視野が狭まる環境にいるので、定子しか見えなくなってきていた。愛していることには変わりないが、そこにすがりたい思いも凄くあった」と語った。母・詮子(吉田羊)から逃れるために定子にのめり込む弱さ、愛が深いゆえの危うさ、帝としての孤独感を丁寧に表現した。

 そして定子は第28話「一帝二后」(7月21日放送)で短い生涯に幕を下ろす。一条天皇は目を真っ赤に腫らし、口元を震わせて声を殺しながら涙を流した。定子を失った一条天皇の気持ちを塩野に聞くと、「言い表しにくい感情。難しいですね…」と考え込んだ。「やり残したことだらけ。お互いに支え合って、苦しい思いをさせまいと思っていたのに。本当は雪遊びをしたり貝合わせをしたりする時間をもっともっと過ごしかったと思う」。早すぎる死を悔やんだ。「死に立ち会えない苦しさがとてつもない。帝という立場を呪うような気持ち。自分がこの檻から出られないという閉塞感を凄く感じました」。心に大きな穴がぽっかりと空いた喪失感と無念さをにじませた。

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