今村ねずみ 願掛け毎朝、歩いて歩いて、集大成舞台走り抜く 元日から欠かさず「やり倒す」

[ 2024年7月12日 05:00 ]

ウオーキングコースにしている都内を背景に写真に納まる今村ねずみ(C)GEKKO
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 著名人に健康や元気の秘訣(ひけつ)を語ってもらう企画「だから元気!」。今回は演劇集団「THE CONVOY(ザ・コンボイ)」を主宰する今村ねずみさん(66)です。歌い、踊り、芝居をし、ステージを駆け回る「ザ・コンボイ・ショウ」を35年以上にわたり観客に届けてきた。今夏の公演がそのフィナーレ。集大成を迎える活動を支えているのは、元日に願掛けで始めた毎朝のウオーキングでした。(構成・前田 拓磨)

 今年は元日から毎日欠かさず、40分以上歩いています。日常と合わせると1万歩を超えます。今回の公演のタイトルを「ONE DAY~Last Run! Run!! Run!!!~」にしましたから、本当は験担ぎで走ろうと思っていました。元日と1月2日は走ったんです。でも年末までショーをやっていた疲れもあって、2日目に膝にきてしまって歩くようになりました。こんなに元日から一つのことを続けているのは自分の中では珍しいんじゃないでしょうか。僕の今年のテーマは「やり倒す」です。

 歩くことで頭が整理できるんです。日々の天気も気になりますし、一日の自分のプランがイメージできます。あと、歩いた後のホットコーヒーはおいしい。体が乗らない日は音楽を聴くこともありますけど、考え事を整理したい時は一切聴きません。朝の街の音を聞くようにしています。結果的に創作にもつながっていますね。

 毎日朝歩いていると、その時間帯に同じように歩いている方や公園を掃除する方がいらっしゃるんです。名前も知らないけど、顔は知っているからあいさつするようになった人もいます。そういう人の背景を知りたくなってしまう。人に対するイマジネーションが湧いてくるんですね。歩きながら写真も撮るので、服装の変化だったり、季節の移り変わりも感じられます。

 公演中も歩いていたので、調子の悪い時もあったんです。それでマッサージに行ったら、凄く疲労がたまっているから歩かない方がいいと言われました。でも翌日はまた歩いていましたね。最後の公演に対しての願掛けなんです。自分の中でやり倒す、とにかく続けたいというのがあって、千秋楽の日までは毎朝歩き続けたいと思っています。

 今回が最後のコンボイ・ショウです。昨年の「コンボ・イ・ランド」が終わった2日後くらいに決めました。幸せなことに誰も病気も大きなケガもすることなく、ここまでやってこられた。だからここで一つのゴールをちゃんと決めて終わらせるのが、ある種の美学だと思いました。これだけ実績を積んできた自分たちに、できなくなったことはたくさんあるけれども、年を取ってからできることや新しいことが生まれることもあって、それはプラスなんです。だから年を取ることは全部がマイナスではないんです。僕がいるのは演劇の場なので、年ではなく、その場でどう生きるのかが最大の問題なんです。公演や仕事がない時にでも「自分は役者です」と言えるかどうかなんですよ。

 走り出したら止まらない。これが自分のスタイルなので、やり倒すしかないですね。無駄なエネルギーは残しません。

 ≪全員主役で全員脇役 東京公演8・4まで≫「ONE DAY~Last Run! Run!! Run!!!~」は1986年に始まった「ザ・コンボイ・ショウ」の最後の公演。26日に東京・恵比寿ザ・ガーデンホールでスタートする。今村は「一気通貫のエンターテインメントを貫き通す。今回は自由に作らせてくれとみんなには言ってあります」と意気込みを語った。出演する全員が主役で、脇役の舞台。15人の男たちが8月25日の名古屋公演の大千秋楽まで走り続ける。東京公演は8月4日まで。

 ◇今村 ねずみ(いまむら・ねずみ)1958年(昭33)6月11日生まれ、北海道出身の66歳。2代目「いいとも青年隊」を経て、86年に自ら、作・構成・演出・出演を務める「THE CONVOY」を結成。2010年に第35回菊田一夫演劇賞を受賞。13年から18年には日本初のアイスショー「プリンスアイスワールド」の構成・演出も手掛けた。
 

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