田中寅彦九段 藤井聡太の122手目に「終局間近になると立会人が対局室に入るんですが、5五銀を見て…」

[ 2023年10月12日 14:55 ]

王座戦を制した藤井八冠(撮影・須田 麻祐子)
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 棋士の田中寅彦九段が12日、TBS「ひるおび!」(月~金曜前10・25)に生出演。藤井聡太王将(21)=竜王、名人、王位、叡王、棋王、棋聖含む7冠=が第71期王座戦5番勝負第4局で永瀬拓矢王座(31)を破り、棋界の全8冠を史上初めて独占したことについて言及した。

 王座戦第5局は11日、京都市のウェスティン都ホテル京都で指され、後手の藤井が138手で勝利。角換わりから永瀬の研究手順を打ち破った。 1分将棋に突入した終盤、AIの評価値は藤井の122手目の5五銀で、「99%」永瀬の勝ちとしていたが、永瀬の123手目の5三馬が「悪手」の評価で一気に勝率9%まで落ち、結局、藤井が逆転勝ちした。

 藤井は14歳の中学生でプロ入り。将棋界のタイトル独占は1996年に羽生善治九段(53)が7冠時代に達成して以来27年ぶり4人目。17年度に叡王戦が8冠目へ昇格してからは初めて。21歳2カ月での8冠は羽生の7冠達成時(25歳4カ月)より4歳以上も若い。さらに羽生がタイトル戦の敗北を何度か経験しながら樹立したのに対し、藤井は20年の初タイトルから失敗なく到達した。

 1988年に棋聖のタイトルを獲得し、“序盤のエジソン”の異名を持つ戦略家の田中九段は、藤井の122手目の5五銀について「実は現場の話が聞こえてきたんですけれども、立会人というのが終局間近になると対局室に入るんですよ。淡路(仁茂)九段が5五銀を見て、首を差し出した形をつくった。永瀬君がこのまま勝つからそろそろ行こうかなって廊下に出てからこの“事件”が起こった。ですから永瀬君の勝ちを見届けにいく立会人が逆の勝ちを見届けに行ったと…」と話した。

 永瀬の123手目の5三馬については「王手をかけたんだけれども、王手のかけ方がまずかった。まったく後手の王様が詰まなくなっちゃったんですね。4二金と、4筋の二段目に打てば半分詰みというか、ほぼね。普通の対応をしていれば詰んでたんです」と解説。「これが1分将棋の怖いところ。時間にせっつかれながら、普通にいったら詰むはずなのに、詰みが見えないなと先の先を読んでるうちに、詰みが分からないと。本当はやっていけば詰みはすぐ見える手なんですけれども、たくさん王手をかけて詰まなかったら大変なことになりますから。万が一ってことを考えてて、もう手が分かんなくなっちゃったんです。有利な時には、勝たなきゃいけない責任感みたいなものが出てきて、万が一ってことを考え出すから勝てないんです」と話していた。

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