今年3月終了「タモリ倶楽部」にATP特別賞 タモリ、長寿番組の秘けつは「反省しないこと」

[ 2023年7月6日 19:38 ]

「第39回ATP賞テレビグランプリ」でテレビ朝日の冠番組「タモリ倶楽部」の制作チームが特別賞を受賞し、トロフィーを手にスピーチするタモリ
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 タレントのタモリ(77)が6日、都内で開かれた、優れたテレビ番組などを表彰する「第39回ATP賞テレビグランプリ」(全日本テレビ番組製作社連盟主催)の授賞式に出席した。今年3月いっぱいで40年半の歴史に幕を閉じたテレビ朝日の冠番組「タモリ倶楽部」の制作チームが特別賞を受賞した。

 タモリは1982年10月の開始当初を振り返り「ウチ(所属事務所)の社長に言われたのが“今までの番組はすべて密度を濃くして、編集に編集を重ねて作り出そうとしてるけど、タモリ倶楽部では全く逆のスッカスカの番組をやれ”だった」と明かした。

 「ビックリしたんですが、密度が濃いの反対をやればいいと思った」。間延びしてもいい、爆笑が取れなくてもいい、間違ってもいい。その気楽さは番組の空気感に現れた。「いまだにスッカスカの意味は分からないんですけど、今で言う“ゆるい”“脱力”に近いのかなと思ってます」

 スタッフも同じ気持ちだった。演出の山田謙司氏は「失敗をオンエアしても許されるのはタモリ倶楽部ぐらいという気持ちでやってきました」と笑った。

 同番組は鉄道や音楽、科学やエッチな話題までさまざまなマニアックなネタを扱う深夜バラエティーで、ミニコーナー「空耳アワー」も人気だった。下着姿の女性のお尻がアップになるオープニングも有名だった。タモリは「40年前はさんざん叩かれました。まずは尻を出してて下品。素人番組、省エネ番組、力抜いてる、面白くない、というのがずっと評判でした。40年立ってようやくATPから賞をもらえました。やってる間は賞をやらせないぞというATPの根性というものに敬意を表します」と言って笑わせた。

 そのタモリが「番組的には大失敗。撮り直したいぐらい」と言ったのは3月31日の最終回。初めて企画をタモリが提案した料理企画だったが、収録が押して3品の予定が2品になった。山田氏は「40年やっててもわれわれの脇が甘くて尺が読めなくて。2本分撮れたんですが、もう枠がなかった。間抜けな展開でした」と苦笑した。

 タモリは40年も続けられた秘けつを「反省しないこと。僕は自分の番組をあまり見ません」と明かしつつ、「国民のみなさんの懐の深さじゃないでしょうか。感謝しています」と視聴者にお礼した。

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