月夜見さん サスペンス・ホラー漫画のモデルに みつちよ丸さん原作

[ 2023年3月27日 08:30 ]

月夜見さんがモデルになった漫画「人類蝕」の月子(C)みつちよ丸・佐藤祐紀/集英社
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 【牧 元一の孤人焦点】人気カウンセラーの月夜見(ツクヨミ)さんが漫画誌アプリ「少年ジャンプ+」(集英社)で連載中のサスペンス・ホラー作品「人類蝕」の登場人物のモデルになった。

 漫画の原作者・みつちよ丸さんは「私が作るキャラクターは自分の分身なので、気持ちを想像しないと書けません。モデルになる霊能者が必要だったので、YouTubeでいろんな動画を見て候補を探しました」と話す。

 月夜見さんは2019年に都内のサロンでカウンセラーを始め、20年に独立。相談者の評判が口コミやYouTubeで広がり、約1万人が個人鑑定の機会を待つほどの人気者。昨年11月には初めての著書「終わりなき魂を生きる―あなたをつくる『見えない世界』のお話―」を出版し、話題を呼んだ。

 みつちよ丸さんは「月夜見さんの思考回路が最も私の考えとリンクしやすいと感じました。私は元々、大学の工学部で化学を専攻していて、漫画家になる前は化学メーカーで会社員として働いていたんです。月夜見さんはYouTubeで、あの世とこの世の話をする中で、重力や素粒子の話をしていました。私も素粒子について調べたことがあったので、シンクロ率が高かったです」と話す。

 みつちよ丸さんは月夜見さんの公式LINEで接触。「月夜見先生をモデルにキャラクターを作らせていただきたい」と本人に要請した。

 月夜見さんは「私は気まぐれで、そういうのが面倒くさい時期と受け入れられる時期があります。その頃は偶然、調子の良い時期でした。LINEの文章が謙虚で、感じの良い人だと思いました。それ以前から妹がみつちよ丸さんの漫画『生者の行進』を読んでいて『面白い』と言っていましたし、私自身も拝読して面白いと思いました」と語る。

 2人は月夜見さんの仕事場で初対面し、以後、交流を重ねた。

 みつちよ丸さんは「私が何か質問すると、こちらが予想できない答えが返ってきて、素直に、凄いな、と思いました。これまでの私の感覚としては、スピリチュアル専門の方々はふんわりとした話に偏っている印象があり、反対に、科学の分野の方々は科学で証明できることしか信じないという先入観がありました。ところが、月夜見さんはその両方を兼ね備えていて、自分が見ている世界を理論的に説明されます」と明かす。

 月夜見さんは「漫画のモデルになるのはうれしいですが、それは半分どうでも良くて、この人は何か引っかかることがあるから私の所に来るんだろうな、と思っていました」と笑う。

 取材の結果、生まれたのが「人類蝕」(作画・佐藤祐紀氏)の「卜部月子」というキャラクターだ。ある地方で、霊媒的な仕事をしている少女で、例えば第3話には、県議会議員の選挙で「ご神託」を伝える場面がある。

 みつちよ丸さんは「月夜見さんからいただいたインスピレーションで月子以外にも何人かキャラクターが生まれました。科学的な説明や理系っぽい思考、素数が好きな性格なども出てきます。そういう意味では、月夜見さんは作品全体のモデルになっているとも言えます」と説明する。

 エンターテインメントであるがゆえに、月夜見さんの個人的事実から離れたフィクションも多分に含まれている。

 みつちよ丸さんは「月夜見さんの半生を書こうとしてるわけではありません。あくまでも私が書くストーリーの柱の中に月夜見さんのエッセンスを入れているということです」と語る。

 月夜見さんは「作品全体に私がちょこっと乗っているというイメージで読んでいます。作者が解釈し直すのは当たり前で、少しでも私の影響があったと感じるだけで楽しいです。この作品は普通のホラー漫画と違って、ちょっとした隙間にリアルが挟み込まれています。例えば第3話で、キャラクターの1人が『家族に囲まれてりゃ幸せかっていうとそうでもないんでね』と言うシーンがあります。実際、世の中には、周りから言われて自分が不幸だと思い込んでいる人が多いので、ああいうシーンを見て、家族がいなくても結婚しなくても不幸だとは限らないと感じていただけたらうれしいです」とほほえむ。

 みつちよ丸さんは「幸せというのは自分で設定できるものだと思います。この漫画から何か得ていただくものがあるならうれしいです」と語る。

 この漫画は、サスペンス・ホラーでありながら、人気カウンセラーがモデルになっていることにふさわしく、人間が幸福を追求する作品でもある。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局総合コンテンツ部専門委員。テレビやラジオ、映画、音楽などを担当。

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