容赦なし!犀星先生の痛快映画日記
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【佐藤雅昭の芸能楽書き帳】JR田端駅(東京都北区)の北口を出てすぐそばの田端文士村記念館で「芥川龍之介生誕130年 室生犀星没後60年記念展」(5月8日まで)が開催中だ。「芸術家村だった田端を文士芸術家村にした二大巨頭について比べてみました」というチラシの文字にひかれて足を運んだが、殊の外、共通点が多く、興味深い企画展になっている。
芥川龍之介(1892―1927)と室生犀星(1889―1962)が出会ったのは1917年(大7)1月。日本橋で行われた日夏耿之介の出版記念会だったという。そこから親しい付き合いが始まった。記念展では自作の詩を朗読する犀星の肉声や、芥川の「鼻」「河童」の原稿(複製)、俳句「ひたすらにはふ子おもふや笹ちまき」書幅など貴重な資料が目白押しだ。
「俳句」「骨董好き」に「良き父親」も共通項。これに「映画原作者の顔」を加えていいかもしれない。芥川の小説や戯曲では「藪の中」「羅生門」を題材に黒澤明監督が映画化した「羅生門」(1950年)や、秋原正俊監督が平幹二朗を主演に据えて撮った「蜘蛛の糸」(2011年)、曽根剛監督が映像化した「二人小町」(2021年)などが知られる。
対して犀星。「抒情小曲集」に収められた「ふるさとは遠きにありて思ふもの そして悲しくうたふもの」で始まる詩が有名だが、「あにいもうと」や自叙伝的作品「杏っ子」などが映画の題材になっている。「あにいもうと」は1936年、53年、76年と、3度も銀幕を飾り、「杏っ子」は58年の映画化。2016年には「蜜のあわれ」が石井岳龍監督の手で料理され、二階堂ふみ(27)が金魚の化身を艶めかしく演じて話題を呼んだ。
そんな犀星先生は大変な映画好きだった。ここに1冊の本がある。石川県金沢市の出版社「亀鳴屋」から2020年10月18日に刊行された「犀星映画日記」で、観賞した映画の感想などを孫の宝生洲々子さんが編集したスグレ本だ。
犀星35歳、1924年(大13)2月22日。
「朝来霙(みぞれ)也。ついに霽(は)れず。
香林坊の松竹館に行き、久しぶりにてカザリン・マクドナルド(キャサリン・マクドナルド)の映画を見る。(中略)
栗島すみ子の『彼女の運命』を見る。はじめて也。いかにも瘠(やせがた)の、すらりとせる人なり(後略)」
こんな感じで始まり、犀星67歳、1956年(昭31)まで続く。
総じて辛口だ。例えば、1927年(昭2)4月8日。「浅草東京館に『人罠(じんぴん)』を見る。詰らず」
1953年(昭28)の10月14日には「風と共に去りぬ」を観賞。「感動散漫、見る必要がなかった」と冷たい。ともにヴィクター・フレミング監督の作品。さしもの巨匠も犀星先生にかかってはたじたじだ。
54年5月31日に見た「ローマの休日」についても「あとになにものこらない映画、近代オトギバナシである」と手厳しい。
たまに褒めているくだりにぶち当たるとホッとするやらうれしくなるやら…。
例えば、52年(昭27)の3月27日。「朝子(長女)と『羅生門』を見た。黒澤明という男は却々(なかなか)心得ていて、愉快な仕事ぶりに感心した。戦後、監督というものの仕事らしい仕事を、はじめて見たのである。
続いて53年(昭28)12月4日。「多摩川園内の映画館に『あにいもうと』を見に行く、上映半年ぶりで初めて見たが、まず成功したといってよい、成瀬監督のこまかさがよく行きとどいている」
成瀬作品に関して言えば51年公開の「めし」は「駄作である」とお気に召さなかったようだが、この「あにいもうと」はお眼鏡にかなったようだ。
それにしても5日と開けずによく見ている。感想は総じて短めだが、犀星先生の好みが浮き彫りになっておもしろい。このうえなく痛快な1冊だ。
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