“昭和の大物たち”“洋楽の大スター”逝く…16年物故者追悼

[ 2016年12月31日 09:30 ]

昭和の大物が亡くなった16年(左上から時計回りで)永六輔さん、根津甚八さん、大橋巨泉さん、平尾誠二さん、先代九重親方
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 芸能界、スポーツ界など各分野で新星が誕生した2016年。一方で、昭和の大物たちが相次いで亡くなり、その訃報が届くたびに世間が悲しみに暮れた。

 放送界の大物、人気司会者、演劇界の巨匠、名俳優…。

 放送作家、作詞家、タレントとして活躍した永六輔さん(享年83)が7月7日に肺炎のため死去した。日本の放送業界の草創期を駆け抜け、テレビ番組の礎を築いた立役者。8月30日に営まれた「お別れ会」は、生前の爆笑エピソードが数々披露されるなど終始にぎやかな雰囲気。周囲の人が「面白くないことを面白くする天才」と口をそろえる永さんの人柄がしのばれる会となった。

 永さんの訃報から5日後には、“テレビの巨星”と言われた大橋巨泉さん(享年82)が急性呼吸不全のため死去。放送作家としてテレビ業界に入り、1965年から「11PM」で司会者を務め、その後も広い見識、豪快なキャラクターで親しまれた。人生最後の11年間は、手術を4度も行うなどがんと闘う日々だった。

 大橋さんと並び、人気司会者として昭和のテレビを彩ったのは小川宏さん(享年90)。フジテレビ系のワイドショー「小川宏ショー」の司会では、穏やかで温かみのある語り口が人気を集め、番組は82年まで17年間、4451回放送された。

 演劇界の巨匠、蜷川幸雄氏(享年80)が5月12日に、その蜷川氏と40年にわたりタッグを組んだ俳優・平幹二朗さん(享年82)がこの世を去った。平さんは蜷川氏の葬儀の弔辞で「17本の芝居、僕の宝です」と感謝の言葉を贈っていたほか「近いうちに再会する」と呼びかけていたばかりだった。また、年末の12月29日には根津甚八さん(享年69)の訃報が。舞台、映画、ドラマに歌と幅広く活躍したが、2010年にうつ病や目の病気などで俳優業引退を表明。15年公開の映画「GONIN サーガ」では1作限定で復活しファンを感激させたが、これが最後の晴れ舞台となった。

 スポーツ界でも、その道の功労者たちが鬼籍に入った。

 “ウルフ”の愛称で国民的な人気を集めた大相撲元横綱・千代の富士の九重親方(享年61)が7月31日に死去。81年に横綱に昇進し、通算1045勝、優勝は31回89年には国民栄誉賞に輝くなど角界のスターとして国技を支え続けた。“ミスターラグビー”平尾誠二さん(享年53)の訃報が届いたのは10月20日。日本で開催される19年のワールドカップを見ることなく旅立った日本ラグビー界屈指のスターの訃報に悲しみの声が相次いだ。

 洋楽のスターたちが次々と旅立った1年でもあった。

 英国の伝説的ロック歌手・デビッド・ボウイさん(享年69)が1月10日に、米人気歌手のプリンスさん(享年57)は4月21日、そして「ラストクリスマス」のヒット曲で知られる「WHAM!」のジョージ・マイケルさん(享年53)がクリスマスに死去。ビッグネームの悲しい知らせが続いた16年、米人気歌手のマドンナが「偉大なアーティストが私たちのもとを去った。2016年は早く終わってくれないかしら」とツイート。世界中のファンの悲しみを代弁していた。

【16年の主な物故者】≪1月≫ジャーナリスト・竹田圭吾、元「イーグルス」グレン・フライ≪2月≫放送作家・はかま満緒≪3月≫プロレスラー・ハヤブサ、演芸家・4代目江戸家猫八、元サッカー選手・ヨハン・クライフ≪4月≫声優・大平透、元プロ野球選手・山本功児、シャンソン歌手・戸川昌子、お笑いタレント・前田健≪5月≫作曲家・冨田勲、声優・水谷優子≪6月≫米プロボクサー・モハメド・アリ、女優・白川由美≪7月≫ピアニスト・中村紘子≪8月≫野球解説者・豊田泰光、ジャーナリスト・むのたけじ、女優・十勝花子≪9月≫米プロゴルファー・アーノルド・パーマー、お笑いタレント・テント、女優・風見章子≪10月≫ミュージシャン・川島道行、声優・肝付兼太≪11月≫将棋棋士・二上達也、歌手・女優・りりぃ、お笑いタレント・チャンス青木≪12月≫野球指導者・荒川博、芸能リポーター・武藤まき子、「L⇔R」黒沢健一、野球解説者・加藤初、女子プロレスラー・ハーレー斉藤、お笑いタレント・島木譲二。(敬称略)

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2016年12月31日のニュース