WOWOWシナリオ大賞に62歳川崎クニハル氏、亡霊と夫婦の物語描く

[ 2015年3月5日 13:02 ]

「第8回WOWOWシナリオ大賞」授賞式に出席した(左から)堀脇れいく氏(優秀賞)、大谷洋介氏(優秀賞)、川崎クニハル氏(大賞)、ネオ・ポフスキー氏(優秀賞)、審査員の崔洋一監督

 「第8回WOWOWシナリオ大賞」の受賞作が決定し、5日に都内で授賞式が行われた。プロ・アマを問わず、優れたシナリオ作品の発掘や脚本家の育成、受賞作品の映像化を目的に創設され、今回で8回目。482編の応募から川崎クニハル氏(62)の「双葉荘」が大賞に選ばれた。

 川崎氏は「30年以上、演出をやっていて、50歳を過ぎてから自分でもストーリーを紡ぎたいという欲求が出てきた。(受賞作は)若いころに体験した実話をベースにして、脚色を加えたもの。もう60(歳)を超えているので、今からどうなるのかと大変興奮しています」と受賞を喜んだ。

 横浜港を臨む高台のテラスハウス「双葉荘」を舞台に、四半世紀前の過去に生きた画家の亡霊と暮らすことになる若手舞台監督の夫と雑誌編集者の妻の物語。15年度中に映像化されることも決定しており、ドラマのシナリオの執筆は今回初めて。「非常にエキサイティング。ただ、自分が書いたシナリオを他の方に演出してもらうのは初めてなので、どう受け止めていいのか」と照れ笑いを浮かべた。選考委員長を務めた映画監督の崔洋一氏(65)は「良質なものを世の中に問うという、あえてプロダクトアウトの形で高い意識をもって選考に当たってきた。他とはちょっと違うところを評価していただきたい」と講評。

 優秀賞は大谷洋介氏の「タスハイ・ドライバー」、ネオ・ポフスキー氏の「駱駝色の女」、堀脇れいく氏の「姐さん」の3作品が受賞した。大賞受賞作品はすべて映像化。最新作となる第7回受賞作は女優の尾野真千子(33)主演のドラマW「十月十日の進化論」として28日午後10時から放送される。

 授賞式では第9回の開催も発表された(応募期間は19日から9月30日)。引き続き、選考委員長を務める崔監督は「可能性を広げていくのがWOWOWシナリオ大賞。どこまでも良質ものを追求し続けます」と応募を呼びかけた。

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2015年3月5日のニュース