公判請求望まずも…東京地検、リオン被告を起訴

[ 2010年12月29日 06:00 ]

伊藤リオン被告

 【海老蔵、示談成立】市川海老蔵(33)は示談書とともに伊藤リオン被告(27)の公判請求を望まないとする上申書を検察庁に提出したことを28日、明らかにした。しかし、東京地検はこの日、同被告を起訴した。

 会見で海老蔵は「リオンさんが反省の言葉を述べて、家族もあるということなので彼の社会復帰を望み、公判の請求は望みませんでした。ただ、私の気持ちではどうすることもできないので」と言い、検察の判断に複雑な表情を見せた。
 略式起訴も想定された中での公判請求に、元東京地検検事の大澤孝征弁護士は「全治6週間のケガの程度からみて起訴する事案。被害者がいくら上申しようと傷害のレベルがひどすぎた」と指摘。東京地検は、伊藤被告がJリーグのユースチームに所属していた経歴を挙げ「足で蹴る行為は極めて危険であり、結果も重大だ」とした。
 元東京地検公安部長の若狭勝弁護士は「被告に前科がある場合に上申が受け入れられないケースはある」とした上で、事件への世間の関心が高く「公開審理した方がいいと判断した可能性もある」という。起訴状によると、伊藤被告は11月25日午前5時すぎから同55分までの間、海老蔵の顔をげんこつで数回殴った上、頭や顔を平手で数回叩き、腹や腰などを数回蹴るなどの暴行を加え、約2カ月のケガを負わせたとしている。
 若狭氏は「裁判は1月下旬から2月上旬には開かれる。伊藤被告は殴った事実を認めており、海老蔵さんが出廷する必要はない」と指摘。裁判は伊藤被告の情状酌量面で争われ、初公判で結審する見通し。ただ、示談書の「起訴された場合、海老蔵の供述調書の信用性を争わない」とする条項について、同被告が完全に納得していないとの情報もあり、一部争点が残ったのは今後の行方で気になるところだ。
 伊藤被告側はこの日、保釈請求したものの東京地裁は却下。大澤氏は「逮捕状が出てから伊藤被告が出頭するまでに11日も要している。逃亡のおそれがあると判断したはず」と指摘した。関係者によると、伊藤被告は家族との接見禁止が解かれ、年末年始は妻子と面会できるという。

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