都はるみ“遺作舞台”歌い続けて供養

[ 2008年6月4日 06:00 ]

降りしきる紙吹雪の中、せつなげな表情を見せる都はるみ

 歌手・都はるみ(60)の座長公演が3日、大阪・松竹座で初日の幕を開けた。内縁関係にあった音楽プロデューサーで所属事務所代表の中村一好さん(享年60)が4月4日に自殺してから初めての1カ月劇場公演(26日まで)。ショックを乗り越え、中村さんの“遺作”となった舞台を務めあげる。

 右腕を突き上げ、満面の笑みを浮かべてステージラスト曲「好きになった人」を歌い上げた。歌手復帰後の18年間、ずっと歌謡ステージの構成・演出を中村さんが務めてきたが、この日のステージから北村春美(はるみの本名)との連名になった。「中村にずっと教わってきたから、彼ならきっとそうするだろうと私が一番知っている」。
 1月の名古屋中日劇場、3月の新宿コマ劇場と続けてきたショーの内容に、今回は大阪ということで「浪花恋しぐれ」を加えた。
 「事件」直後の数日間は放心状態だった。だが、意地で上がった香川、岡山でのステージでファンの熱い声援を受けたことで、ぽっかりと空いた大きな穴を自らが埋める決意を固めた。所属事務所の後任社長には、はるみの妹の野田雅美さん(56)を起用、先月1日から新陣容で動き始めた。
 「私は前を向いて歩くしかありません」とステージ上で誓うと、ファンから「はるみちゃん、頑張れ!」のかけ声。「けじめは自分がつけなくてはならない。声が出る限り歌うことは中村との約束ですから…」。元気に歌うことが供養だとはるみは信じている。

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2008年6月4日のニュース