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井上尚弥 珍しく相手を挑発「あまりにも手を出してのこないのは、自分の中で“どうなのか”と」

[ 2022年12月13日 22:40 ]

プロボクシング・世界バンタム級4団体王座統一戦 ( 2022年12月13日    有明アリーナ )

<バンタム級4団体王座統一戦>8回、後ろで手を組んで挑発する井上(撮影・篠原岳夫)
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 WBAスーパー&WBC&IBF統一世界バンタム級王者・井上尚弥(29=大橋)がWBO同級王者ポール・バトラー(34=英国)を11ラウンド1分9秒KOで破り、日本人初の4団体統一王者となった。WBA王座8度目、IBF王座6度目、WBC王座初防衛に成功するとともにWBO王座を獲得し、史上9人目、バンタム級では初の4団体王座統一に成功した。

 珍しい光景だった。リングサイドで解説していた山中慎介氏や長谷川穂積氏も少し驚いた。井上は、最初からガードを固め守りに集中するバトラーに対して第5ラウンド以降にはガードを下げて挑発するポーズを取り、第7ラウンドには、両手を大きく広げ“打ってこい”と誘うしぐさも見せた。第8ラウンドではついに両腕を後ろに組んで顔を突き出す挑発。さまざまな対応を見せたことについて井上は「誘い出す意味合いもあるけど、倒されなければいいのかという。日本に来てくれたので、“倒しに来たんじゃないのか”という思いも含まれている」と試合中の心境を語った。

 続けて「イラ立ってはないけど、“勝つ気があるのか”と。そういうボクシングをしてくるのは重々承知ていたいけど、あまりにも手を出してのこないのは、自分の中で“どうなのか”と思うこともあったので。引き出すためにああいう形で挑発した」と歴史的な4団体統一戦に対する、そしてボクシングそのものについての自身の思いを素直に口にした。

 4本のベルトが目の前にズラリと並んだ試合後の会見で終始リラックスした表情で歴史的一戦を振り返った井上。WBOチャンピオンの固いガードをこじ開けた“モンスター”の進撃はまだまだ止まらない。

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