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朝久泰央 タイ人王者倒して “泰国の中央”に立つ

[ 2021年6月22日 10:41 ]

タイトルマッチに臨む挑戦者の朝久泰央
Photo By スポニチ

 「K―1 WORLD GP」の福岡大会が7月17日に福岡市の福岡国際センターで開催される。ライト級タイトルマッチでは挑戦者の朝久泰央(23)がタイ人の王者ゴンナパー・ウィラサクレック(28)のベルトに挑む。福岡県うきは市内の道場で稽古に励む朝久に意気込みなどを聞いた。

  鍛え抜かれた体からリズム良く鋭いパンチとキックを繰りだす。ファイトスタイルからついたキャッチコピーは“九州のカマイタチ”。朝久は「自分の動きが俊敏で、竜巻っぽいというイメージから」と説明。普段は東京、中国での試合が多いため約4年ぶりとなる地元戦だ。「技ひとつ、ひとつの切れ、鮮やかさ、“殺傷能力”の高さを見せたい」と力強く意気込む。 

 福岡県うきは市内で空手とキックボクシングの道場を営む父・篤さん(54)のもとで3歳から空手を始めた。小学校の高学年からは「(元K―1世界王者の)魔裟斗選手のようなチャンピオンになりたい」とキックボクシングも並行して練習に励んでいる。15年に「Krush」に参戦し、20年3月にK―1ライト級王者の林健太に勝利。20年9月からライト級を主戦場とし、9月の大阪大会、同12月の両国大会でともにKO勝ちと力をつけている。 

 ハイキック、二段蹴りなど鋭いキックに定評があるが、パンチ力がついてきたことが成績の安定につながっている。「パンチによって立ったまま相手が気を失ったりすることが増えてきた。どの技でも倒せるのが得意技」と胸を張る。 

 毎日8時間のトレーニングの成果だ。「朝久流養我(あさひさりゅうようが)」と呼ばれる鍛錬法で己を鍛える。フィジカルトレーニングが中心で、週2度の「素潜り」も取り入れている。1ラウンド3分のため、自宅の風呂で3分以上を目安に潜って心肺機能を鍛える。現在は安定して4分以上潜ることができるという。「見た目の筋肉ではなくて、潜在能力を鍛えている感じ」と朝久。試合での苦しい場面などで生きている。 

 今回の対戦相手は“ムエタイ大魔神”と呼ばれるタイ人のゴンナパーだ。ここまで141戦109勝(23KO)。朝久は「とても蹴りの強い選手。日本の上の階級のチャンピオンでも倒されていて攻撃力がある」と警戒。一方で「朝久流なら勝てる」と自信を持っている。 

 名前「泰央(たいおう)」の由来は「タイ国の中央に立てるように」という思いが込められている。タイは立ち技最強とされているムエタイの本場。「この試合で生まれながらに一番強いということを証明したい」と宣言した。

 ◇朝久 泰央(あさひさ・たいおう)1998年(平10)1月16日生まれ、福岡県うきは市出身の23歳。15年からKrushに参戦。18年には中国で60キロ級王座決定トーナメントのリザーブファイトで勝利。19年はスーパー・フェザー級で3連勝。戦歴は24戦17勝(4KO)7敗。入場曲はTarzan Boyの「Baltimora」。趣味はドライブ。1メートル74。

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