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田中恒成 V2へ原点回帰 ミニマム時代のスピード取り戻し抜群の仕上がり

[ 2019年8月21日 19:09 ]

予備検診でくっきり割れた腹筋をのぞかせた田中恒成(中央)とゴンサレス
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 24日のWBO世界フライ級タイトルマッチ(名古屋市港区・武田テバオーシャンアリーナ)に出場する両者が21日、名古屋市内で予備検診に臨み、ともに異常なしと診断された。

 2度目の防衛を狙う王者・田中恒成(24=畑中)は、同級1位の指名挑戦者ジョナサン・ゴンサレス(28=プエルトリコ)に対し体格で優勢だ。身長で8センチ(田中1メートル65、ゴンサレス1メートル57)、リーチで4センチ(田中1メートル63、ゴンサレス1メートル59)上回った。

 世界戦で身長1メートル60未満の対戦相手は、2015年12月にWBO世界ミニマム級王座の初防衛戦で6回KOしたビック・サルダール(フィリピン、1メートル59)以来だ。この数値の第一印象は「かなり低いのがどうなるか」。それでも「やりやすいところ、やりにくいところは高ければ高いなりに、低ければ低いなりにある」と、こだわる様子はない。

 ミニマム級(リミット47・6キロ)で15年5月に国内最速のプロ5戦目にして世界王座を獲得。そこから現在のフライ級(同50・8キロ)まで3階級制覇する過程では、3・2キロ増量できる分を主にパワー強化に充てた。そして現級の世界戦2試合で、どつき合いを制し、打撃戦に手応えをつかんだ。今回はさらなる進化を求めて原点回帰。スピードが最高点に達したと自身で認識する「(15年5月に)初めて世界挑戦した頃」を目指した。前傾気味に変化していたフォームやトレーニング法を見直し「スピードを取り戻せた自信はあります」と断言する。

 自身で“最速”だったと振り返る4年前と比べ、現在は首回りが2センチ、胸囲が5センチも増えている。パワーをある程度維持したまま本来のスピードを発揮する、という何とも欲張りな完璧ボディーに仕上がった。「スピードで圧倒してKOで勝ちます」。自信満々の宣言が飛び出すのも当然だ。

 ≪ゴンサレス、巧みなカードさばき披露≫世界初挑戦のゴンサレスは身長、リーチともに劣勢でも「全然、気にならない。田中より大きい対戦相手もいた。問題ない」と冷静だ。「体重調整もバッチリ。あとは戦うだけ」と状態に自信を持つ。副業でカジノのディーラーを務めており、この日は用意されたトランプで巧みなカードさばきを披露。「日本にカジノが出来るのか。(ディーラーとしての来日を)考えておく」とリラックスムードだった。

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