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京口、初防衛は消化不良判定勝ち デビュー13連勝も課題

[ 2019年6月20日 05:30 ]

WBA世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦   〇スーパー王者・京口紘人 判定3―0 同級12位タナワット・ナコーン(タイ)● ( 2019年6月19日    幕張メッセ )

1回、タナワット(右)に左を当てる京口(撮影・島崎 忠彦)
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 スーパー王者・京口紘人は反省の初防衛成功となった。ムエタイの元2階級制覇王者タナワット・ナコーンの巧みな防御の前に、強打を当てながらも単発止まり。3―0の判定勝ちでデビューからの連勝を13に伸ばしたが、熱望する年内の統一戦へ課題を残した。

 「すいませんでしたあ!」。控室での取材は京口の謝罪から始まった。宣言していた4回KOどころか、消化不良の判定勝ち。採点は6点差が2人、5点差が1人だったが、「圧倒するなんて、あんな大きなことを言って…。収穫は勝てたことだけ」。サッカー日本代表MF久保に似ている童顔で苦笑いした。

 1、2回とボディーやアッパーが面白いように当たった。だが、上体を柔らかく使いダッキングするタナワットの顔をムキになって狙い過ぎ、ボディーもかわされて単発な攻撃に終始。「ムエタイ出身らしく肩でガードしたり。やりやすい相手ではなかった」。10回に右で腰砕けにさせたものの、追い打ちをかけられなかった。

 昨年大みそかに無敗2階級制覇を達成したが、「世間的には認知されなかった」とモヤモヤが残った。それでも高校時代は「雲の上の存在」だった同学年の井上尚弥と食事に行くようになり、「僕にしかできない、面白いボクシング」こそが生きる道と実感した。5月には1週間のフィリピン合宿で目をぎらつかせた2、3階級上の選手たちとスパーリングを消化。改めてハングリーさを学んだ。

 「こんな内容ではライトフライ級で1番とは言えない」と反省しながら、「必ず進化して統一戦を実現させたい」と目標はぶれない。年内にも目指すターゲットはWBC王者の拳四朗(BMB)だ。「頂点までまだ6合目。これで8合目なら来年、引退しないと」。ジョークの中に成長の意思をにじませた。

 ▽京口―タナワットVTR 京口は反省が残る判定勝ちだ。1回は多彩にパンチを放ったが、徐々にKO狙いの単発の強打に頼り、リズムが崩れた。フットワークも生かせず思うように組み立てができなかった。10回に右でぐらつかせるなど前に出続け勝利に結びつけた。タナワットはノーモーションの左を中心に攻めた。上半身が柔らかく王者を苦しめた。

 ▽浜田剛史の目 滑り出しからKOを狙い、頭を止めずに攻め続けた京口の戦い方に自信を感じた。後はどうKOするかにかかったが、やはりパンチに緩急が欲しかった。全部が強いパンチとなったため、相手を戸惑わせることができなかった。(元WBC世界スーパーライト級王者)

 ▼タナワット・ナコーン(敗因は)ジャッジの判定。京口はボディーワークが良かったが、右パンチだけで予測がついた。自分は常に動いていたので、相手にとって得意なタイプではなかったと思う。

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