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デストロイヤー死す…必殺「足4の字」、白覆面の魔王 プロレスブーム巻き起こす

[ 2019年3月9日 05:30 ]

1963年5月24日、東京体育館で力道山さん(下)に足4の字固めを決めるザ・デストロイヤーさん(撮影・宮崎仁一郎)
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 覆面のプロレスラー「ザ・デストロイヤー」として日米で活躍したリチャード・ベイヤーさんが7日、米ニューヨーク州北部バファロー郊外の自宅で死去した。88歳だった。得意の「足4の字固め」などで力道山らと熱戦を展開。日本に空前のプロレスブームを巻き起こした一方で、バラエティー番組でも活躍するなど国民的人気を博した。

 デストロイヤーさんの死去について、息子で元プロレスラーのカート・ベイヤー氏は7日、自身のフェイスブックで「デストロイヤー、ドクターXことディック・ベイヤーが今日正午すぎに亡くなりました。自宅で子供たち、妻に囲まれながら平穏に召されました」と報告。複数の米メディアも報じた。

 白地に赤の縁取りを付けたマスクをかぶった「覆面レスラー」として活躍。初訪日は1963年で、「白覆面の魔王」とも呼ばれ、必殺技は足4の字固め。力道山戦のテレビ中継の視聴率は64%を記録することもあり、空前のプロレスブームを巻き起こした。

 引退後は日米のレスリング選手を育成し、東日本大震災の被災者支援にも取り組んだ。「日本は戦争した敵国で憎んでもいた。でも日本と恋に落ちてしまった」。昨年2月、旭日双光章の受章を記念したバファローでの式典で、感慨深げだった。東京五輪に合わせ訪日へ意欲を見せていたが、かなわなかった。

 ▽足4の字固め プロレスの関節技の一つで、英語名は「フィギュア・フォー・レッグロック」。技をかけたときに相手の両足が数字の4に見える形で交差し、ロックすることから名付けられた。バディ・ロジャーズの得意技であったが、ザ・デストロイヤーによって一般的に知られるようになった。日本勢ではアントニオ猪木や武藤敬司らが得意としている。

 ◆ザ・デストロイヤー(本名リチャード・ジョン・ベイヤー)1930年7月11日生まれ、米ニューヨーク州バファロー出身。シラキュース大ではレスリングなどで活躍。同大修士課程修了後の54年に本名でプロレスデビュー。62年にザ・デストロイヤーに改名し覆面を使用し始めた。63年に初来日。力道山、ジャイアント馬場、アントニオ猪木らと名勝負を繰り広げ70年代には日本テレビのバラエティー番組「金曜10時!うわさのチャンネル!!」に出演してお茶の間の人気者に。93年に引退後はバファロー郊外に戻って体育教師になった。現役時代は1メートル83、110キロ。得意技は「足4の字固め」。

 ▼アントニオ猪木 非常にテクニックがあって、私の師匠である力道山先生もかなり苦戦したことを覚えております。体格のハンデをものともしない努力に裏打ちされた一流レスラーとしてのプライドを感じました。心よりご冥福をお祈りいたします。

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