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尾川堅一 処分明け復帰戦で判定勝ち 「感謝でいっぱい」声援に涙

[ 2019年2月2日 22:24 ]

1年2カ月ぶりの復帰戦で判定勝ちした尾川(右)
Photo By スポニチ

 ボクシングの第581回ダイナミックグローブが2日、東京・後楽園ホールで行われ、ドーピングによるライセンス停止処分が解除された尾川堅一(31=帝拳)は132ポンド(59.8キロ)契約の10回戦でロルダン・アルデア(24=フィリピン)に3―0で判定勝ちした。

 1年2カ月ぶりの復帰戦は重圧との戦いだった。「正直、入場前から感謝の気持ちでいっぱいで…その思いが強かったですね。あとはド緊張でした」。

 初回から自慢の右ストレートが決まった。顔面、ボディーにヒットさせ、会場を沸かせた。早いラウンドでのKOも期待されたが、結果は判定までもつれ、「感覚のズレなのか分からないけど、倒したい気持ちが強くて空回りした部分もあった」と振り返った。

 17年12月に米国で行われたIBF世界スーパーフェザー級王座決定戦で判定勝ちしたが、試合4日前に採取された尿サンプルが禁止薬物に陽性反応を示し、王座獲得は“幻”となった。

 米ネバタ州コミッション、日本ボクシングコミッション(JBC)からの処分を受け、一度はボクシングを辞めることも考えたが、家族や関係者、ファンの後押しを受けて戻ってきたリング。「こんなにお客さんが来てくれて…感謝の気持ちでいっぱいです」。勝利インタービューでは言葉を詰まらせ、何度も涙を拭った。

 再出発の1歩目となる試合で狙っていたKO勝利を逃した尾川は「さすがに10回判定じゃあ大きなことは言えないけど、きのう(1日)31歳になって、残された時間も限られている。今年が勝負。もっと練習して、もっと強くなります」と誓った。

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2019年2月2日のニュース