“勝利か、育成か”プロの捕手が143試合の中で直面する、正解のない究極の選択

[ 2026年5月18日 08:00 ]

西武・古賀悠
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 選手の成長か、チームの勝利か。143試合を戦うプロの捕手には重大な選択を迫られるときがある。西武の古賀悠斗捕手(26)は緊迫した場面でどのような選択をするのか。その胸中を明かした。

 4月28日の日本ハム戦。先発の渡辺は今季一番と言っていいほどの快投を演じていた。1―1の8回。先頭打者を三塁手・平沢の失策により出塁を許した。その後2死三塁となり、対するは相手打線で最も怖い3番・レイエス。次打者は途中出場の新人・大塚ということもあり、敬遠の選択肢もあったが、西武バッテリーは勝負を選択し、空振り三振に抑え、ピンチを脱した。

 難しい選択を迫られた中での勝負。発端は渡辺からの「どう思いますか?」という問いかけだった。古賀は気持ちをくみつつ、投手と打者の力関係を比較した上での冷静な判断を下した。

 渡辺は「今後の野球人生を考えた上で、あそこで勝負することが大きなことになる」と大きな価値があることを断言した。

 古賀は「(選手の)成長を取るか、1勝を取るか。その1勝が先々の3位か4位か。2位か3位かを決めることに関わってくる。今日は勇太朗(渡辺)の気持ちをくみつつ、僕は次のバッターも考えながら配球していく。その結果、勇太朗の成長につながる」と語った。

 143試合の中のたかが1試合。しかし、その1試合が選手にとって大きな財産にもなり得る。捕手はチームの勝利と選手の成長をてんびんにかけ、優先順位をつけた上で最善の選択をしなければならないし、その選択に正解はないだろう。扇の要は冷静な判断の中で、優勝の行方と育成の両方をコントロールする。それがプロの捕手なのだろう。(記者コラム・小林 伊織)

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