【内田雅也の追球】最多登板と「投げたがり」

[ 2026年4月22日 08:00 ]

セ・リーグ   阪神9―16DeNA ( 2026年4月21日    横浜 )

7回途中、降板するモレッタ
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 乱戦の末、阪神は敗れた。野球は味方も相手も含め、互いに刺激を受けながら試合を進める。阪神投手陣の制球難は4四死球を与えた先発・才木浩人や5回表に押し出し含む4四球をもらったDeNA投手の乱れが伝染したのかもしれない。

 気になったのはダウリ・モレッタと湯浅京己の乱調である。モレッタは6―6同点とした直後の7回裏に登板し、決勝点となる押し出しを含む3四球と乱れ、1死も奪えず降板した。湯浅は9―10と1点差に迫った直後の8回裏に登板し、連続四球から適時打を浴びて降板となった。

 モレッタも湯浅もチーム21試合目で11試合目の登板だった。ともにリーグ最多の登板数である。

 まだ登板過多などという時期ではない。ただ、モレッタは過去10試合10イニングで2四球だったが、3四球と乱れては疲労を心配にもなる。

 ただ、敗戦投手となった試合後に「今日は話すことはないが」と前置きして話した。「明日また切り替えて、全力で準備して次に向けてやることが大事だと思う」

 この姿勢である。モレッタの良さは関西弁で言うところの「投げたがり」だ。関西弁では「うれしがり」や「いちびり」など「~したがり」といった表現を日常的に使う。日ごろから「どんな場面でも投げたい」と話しているように「投げたがり」なのだ。

 これは救援投手として大切な資質だ。大リーグでは「want the ball」(ボールを欲しがる)との表現がある。1985年、江夏豊の大リーグ挑戦に協力したブルワーズ球団幹部のレイ・ポイテビントに教わった。近鉄担当だった86年、抑えのエースだった石本貴昭を「彼はボールを欲しがるのが素晴らしい」と話した。抑えても打たれても翌日また投げようとする。その闘争姿勢をたたえていた。

 この夜は登板がなかったが、ラファエル・ドリス、桐敷拓馬も9試合に登板しており、リーグ登板数上位を阪神勢が占めている現状がある。

 選手の健康管理には最大限に気を配る監督・藤川球児も試行錯誤を繰り返しているようだ。故障の石井大智、不調の及川雅貴を欠く救援陣はまだまだ整備中である。

 終わってみれば、14長短打を浴び、11四死球と乱れ、7年ぶりとなる大量16失点。救援陣再構築へ、記憶に刻む大敗となった。=敬称略=(編集委員)

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