【サムティ野球部2年目の挑戦②】社業でも中心戦力へ 資格取得&日本一、社員が挑む社会人としての二刀流

[ 2026年1月31日 09:05 ]

サムティ・古野幹外野手
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 創部間もない若いチームが本気で頂点を取りに行く。今年、創部2年目を迎える社会人野球・サムティ硬式野球部。初年度の昨年はチームとしての土台を着実に整え、今季に飛躍を期す。野球の結果だけではなく、社会人としての人材育成も目指す同社。野球部は象徴的な存在として、情熱的に二兎を追う。(①から続く)

 サムティの硬式野球部員は、社業でも中心戦力となることが求められる。岸田光二GM(57)は小川靖展代表取締役社長が明確に打ち出す方針を代弁する。

 「今はAIの進化もすさまじいですが、何事においてもビジネスは最終的に人がやること。その考えのもと“人に投資する”ということを最優先に考えています。野球は、凄く魅力的なスポーツというところもありますし、小川社長の野球への愛もあって、野球部をつくって人材を育成しようということになりました」

 岸田GMは長年、オリックスで要職を歴任した。05年に仰木彬監督の監督付広報を務め、その後は育成グループ長、営業部長など幅広く務め、23年3月にオリックス野球クラブを退職。同年9月にサムティに入社し、硬式野球部の立ち上げに尽力した。24年1月、同社が運営するネスタリゾート内に屋内練習場、ブルペン、ウエートルームなどの新設工事に着工。同時に選手を集めるための地道な活動も続け、25年2月に選手、施設がそろい、チームの骨格が整った。「野球部ができ、施設が整い、運営的にも去年1年経験した。一通り完成して、あとは勝つというところまで来られた。今年から勝ちにこだわりたい」と言葉に力を込めた。

 社会人野球チームの部員には野球と社業の両立が不可欠だが、サムティの場合はそこに「勉強」も加わる。部員は宅建資格の取得が奨励され、希望者には社業の時間に勉強する時間も与えられる。令和6年度で合格率約18%の難関資格。野球部員では古野幹外野手(24)が資格を取得した。

 岸和田高から慶大を経て、現在は管理部の総務グループに所属。「基本的に社業のある午前中はずっと宅建を取るための勉強をさせてもらって、午後から練習。4月、5月は大会がなかった分、その期間に集中的に勉強させていただいた。大会前は野球に専念しましたが、終わってから試験まで、詰め込む形で合格することができました」と笑顔で振り返る。当初、サムティのことは「詳しくは知らなかった」と言うが、社会人としての成長を考えたとき、複数の進路の中からサムティを選択した。

 「元々不動産に興味があったのと、社会人でも野球を続けたかったので、最優先は野球の環境でした。それと僕自身が『一期生』というものに凄く魅力を感じるタイプなんです。一つずつ積み上げていって結果を出すというところです。ただ野球に関しては5年先に…ではなく即、全国大会に出たいと思ってやっています」

 真新しい充実した施設で、野球に打ち込める環境は整っている。加えて社の人材育成を主眼に置くスタンス、さらに社の歴史の一部になれることに魅力を感じ、進路を選択した。野球に打ち込みたいが、同時に社会人としても成長したい。両立を目指す選手にとっては、野球、社業の最適なバランスだった。「今は都市対抗出場優勝、日本選手権出場優勝っていうのを目標にやっています。本当にまずは、頭の中はそれがほとんどです。ただその後、野球で完全燃焼して、選手としてあがった後に現場で働くにあたって、何もできないっていうのはいけないと思う。これからも役立つ資格を取りたいなとは思っています」とビジョンを話した。

 岸田GMは「全国大会で勝ちたい思いはもちろん強いですが、まずは人材の確保、育成がメイン。その中で野球部員やOBに会社の中でも活躍してもらう。それが何年も経ってくるとサムティの中に、どんどんそういう人材が増えて、今以上に好循環が生まれてくる」と言う。魅力的な人材を育成し、強じんな組織を構築するためのシンボルが野球部。歴史を構築するため、まずは全国の舞台に立つための戦いに全力で挑む。

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