独立Lが挑む「長い回を投げる先発投手」 USPBL、球速至上主義に一石「持続性と稼働性も、評価指標」

[ 2026年1月19日 09:00 ]

マーク・バーリー(AP)
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 ロサンゼルス・タイムズ紙は18日(日本時間19日)、ミシガン州を拠点とする独立リーグ・USPBLが、試合で長いイニングを投げる先発投手を育成・募集している取り組みについて報じた。

 現在のMLBでは、先発投手は可能な限り強く投げることを目的に育成、起用される。5回を投げ切れば十分とされ、その後はより速い球を投げる救援陣が次々と投入される。一方でUSPBLが先発投手に求めているのは、長いイニングを投げ切る能力だ。USPBLの野球戦略・育成部門の責任者、ジャスティン・オーレンダフ氏は「マーク・バーリーやクリフ・リーのような投手が、もう一度出てきてくれれば、野球にとって良いことだと思う」と語る。

 バーリーとリーはいずれも、パワーではなく精度を武器にしていた。バーリーは平均球速は90マイル(約144.8キロ)を超えなかったが、ホワイトソックスでのメジャーデビュー2年目となる01年から14年連続で200イニング投球を記録。518試合の登板で3283回1/3を投げ、214勝160敗、防御率3.81と抜群の安定感を武器に、07年にノーヒットノーラン、09年に完全試合も達成した。

 リーは速球の平均球速が92マイル(約148.0キロ)に届かなかったにもかかわらず、8度にわたってシーズン200イニングを投球。インディアンス(現ガーディアンズ)、フィリーズなどで活躍し、通算328試合の登板で2156回2/3を投げ、143勝91敗、防御率3.52の成績を残した。

 球速を最重視する現代であれば、2人ともドラフト指名すら受けなかった可能性がある。球速への過度な執着によって、かつて野球界の看板だった先発投手同士の投げ合いは、今や絶滅危惧種となりつつある。そこで注目されるのが、USPBLの試みだ。

 USPBLは画一的な球数制限から投手を解放しようとしている。「例えば、100球という数字が、単なる数字に過ぎないことを示したい。110球、120球を投げられる投手もいるかもしれない」とオーレンダフ氏は言う。同リーグでは、スピンレートや回復速度など、メジャーと同等のテクノロジーを活用。制球力と球速を維持でき、毎球全力でなくてもアウトを取れ、イニング間や登板間で適切に回復できる投手であれば、長いイニングを任せられるという考え方だ。

 「持続性と稼働性も、評価指標でなければならない」。果たして、この試みから、MLBで活躍する長いイニングを投げられる先発投手は生まれるのか。成果に期待したい。

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