京都国際・西村一毅が「高卒プロ」見送りの理由 高校で引退予定が日本一…評価激変で芽生えた次の目標

[ 2025年12月22日 08:00 ]

中大に進学して4年後のドラフト1位指名を目指す京都国際・西村(撮影・河合 洋介)
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 連載「高卒プロを見送った注目球児」の第3回は、2年夏に日本一を達成した京都国際(京都)・西村一毅投手(3年)の選択に迫る。今秋ドラフトで上位指名も狙えた最速146キロ左腕は、3年春の時点で大学進学希望を表明し、プロ志望届を提出しなかった。高2で甲子園優勝を達成しながら高卒プロに傾かず、中大進学を選択した裏側を聞いた。(河合 洋介)

 高2で甲子園優勝の中心メンバーになれば、高卒でのプロ入りを夢見ても不思議ではない。しかし謙虚な性格の西村は、日本一を達成してようやく思った。「上のレベルで野球を続けようかな」。「上のレベル」とはNPBを指しているわけではない。2年夏前まで、高校で野球を辞めようと考えていたのだ。

 下級生の頃、進路調査を兼ねた面談で小牧憲継監督に「高校で野球を辞めようと思っています」と伝えていた。同監督は自身の考えを押しつけるような指導者ではない。「なんでやねん」と笑いつつ、否定されることはなかった。

 「抑えたとしても“たまたまや。次は打たれる”としか思っていなかった。捕手の構えたところに投げ切ろうとしていただけで、抑えた根拠が自分の中になかった。だけど2年夏に甲子園で結果が残り、“自分もやれるんかな”と思い始めた」

 高卒プロも狙えるかもしれないと、ほんの少しは頭をよぎった。しかし、2年秋の京都大会は4回戦敗退。「秋の時点でプロに行けるような結果も残せなかったので…」。強豪大学に進むためには、3年春までにその大学を受験するか回答を求められる場合が多い。つまり、高卒プロか大学進学か、春季大会の結果を待たずに決断する必要がある。自身の現在地に自信を持てていなかった西村は、高3の春本番前には大学進学に進路を絞った。

 最後の夏は甲子園に帰還し、高校日本代表にも選出された。「代表のみんなは、キャッチボールの球が速いし、伸びるし、重いし…。だけど、自分の球は垂れて見えた。これがプロに行く人たちの球か…と思った」。どこか自己評価の低い西村は、自分より周りの実力の方が上だと感じた。それでも、今秋ドラフト会議で健大高崎(群馬)の石垣元気(3年)ら同学年の高校生が上位指名されていく姿を見て率直に思った。「悔しい。自分もあのレベルにならないとあかん」

 3年春の進路面談で小牧監督に「大学でどうなりたいん?」と聞かれた時、こう即答している。「4年後、ドラフト1位でプロに行ける力をつけたいです」。来年から東都大学野球1部の中大に進む。「京都国際に入学した時は、高校卒業したら就職しようかなと思っていたのですが…。やるからには1番を目指したいと思いました」。自身にドラフト上位指名の実力があると気付かず終えた高校野球。1位指名を目指すと決めた覚悟こそ、西村の伸びしろになる。

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