【現役ドラフト】 阪神・井上広大はロッテ移籍「心機一転、ラストチャンス」 未完の大砲が大化け誓う

[ 2025年12月10日 05:15 ]

24年8月28日、DeNA戦でプロ初本塁打を放った井上
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 出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるために22年から導入された現役ドラフトの第4回が9日、非公開でオンラインで開催された。阪神・井上広大外野手(24)のロッテ移籍が決定。高卒1年目の20年シーズンから虎党を魅了したロマン砲は、24年に自己最多の3本塁打をマークするも、今季出場はわずか1試合にとどまっていた。球団は井上を放出して打撃で期待がかかるヤクルト・浜田太貴外野手(25)を獲得した。

 「未完の大砲」が猛虎を去る。阪神在籍は6年間。ロッテへの移籍が決まった井上は、球団を通じて感謝のコメントを寄せた。

 「(阪神の)球団関係者の方々には感謝しかありません。阪神の選手として思うように結果は残せませんでしたが、たくさんのファンの方からの温かいご声援、そして初ホームランを打った時のあの声援は今でも忘れられません」

 19年夏の甲子園大会。履正社の4番として全国制覇に貢献し、同年に右の長距離砲としてドラフト2位で入団が決まった。入団1年目から持ち前の長打力で存在感を示し、プロ5年目の昨季は自己最多の23試合に出場。8月28日のDeNA戦では東からプロ初本塁打放った。自己最多の3本塁打を記録するなど、さらなる飛躍を予感させた。

 しかし、今季の1軍出場は4月1日DeNA戦のわずか1試合にとどまった。11月14日の契約更改交渉では100万円減の1000万円でサイン。「来年しっかり巻き返すしかない。厳しい立ち位置なので」。更改後の会見では逆襲を誓っていたが、突然の移籍が決まった。

 「順風満帆にきた選手ではない。そういう意味では個人的な思い入れがある選手でしたけど、これも野球人生の一つ。きっかけにしてもらえたら」

 現役ドラフト後に竹内孝行球団副本部長は新天地での活躍を願った。同制度で成功例はある。22年12月にDeNAから中日へ移籍した細川は移籍1年目の23年から3年連続で20本塁打以上をマーク。同じ右の大砲として環境が変われば大化けする可能性を秘める。
 ロッテには履正社の2学年上となる心強い先輩の安田がいる。外野は今年、新人王を獲得した西川を筆頭に山口、山本らがいる激戦区。「心機一転、ラストチャンスだと思って、結果にこだわって頑張ります」。甲子園に負けない幕張の大声援を背に「未完の大砲」を脱却する。(石崎 祥平)

 ◇井上 広大(いのうえ・こうた)2001年(平13)8月12生まれ、大阪府出身の24歳。履正社では3年の春夏連続で甲子園出場。夏は大会3本塁打で初優勝に貢献。19年ドラフト2位で阪神入団。24年にウエスタン・リーグで打率.308を記録し、首位打者を獲得。今季の1軍出場は「6番・左翼」で先発出場した4月1日DeNA戦の1試合のみ。1メートル89、100キロ。右投げ右打ち。

≪「練習はウソをつかない」を新天地で体現して≫
 【記者フリートーク】これまで数多く井上を取材してきた。それだけにロッテ移籍は寂しいが、必ず花を咲かせてほしいと切に願う。なぜなら人一倍、練習量をこなす姿を見てきたからだ。

 ファーム暮らしが長かった今季。午後1時開始のデーゲームでも午前6時過ぎには妻・春華さんが作った大好物のウインナーを刻んだおにぎり2個を持って球場入り。全体練習前から室内練習場でバットを振りこんでいた。春季キャンプ中は打撃マシンを相手にした早出特打に始まり、暮れるまでスイングを続ける姿が今も目に焼き付いている。

 「とにかく量。振らないと始まらない」が持論だった。プロ6年間で1軍本塁打はわずか3本。履正社から鳴り物入りで入団した期待値を考えれば寂しい成績でも「練習はウソをつかない」という言葉を新天地で体現してほしい。(阪神担当 石崎 祥平)

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