【内田雅也の追球】「骨太」は揺らがない。

[ 2025年11月26日 08:00 ]

阪神・藤川監督(右)らの前で、あいさつに立つ秦オーナー(撮影・平嶋 理子)
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 2年ぶりの阪神優勝祝賀会で主催者としてあいさつに立ったオーナー・秦雅夫は「これまでの取り組みが正しかったことの証だと自負しております」と胸を張った。

 「これまでの取り組み」とは「ここ10年ほどの間、常に優勝争いができるチームを目指して、スカウティング力、コーチング力を強化し、生え抜きの選手が中心となるチーム作りに努めてまいりました」を指している。

 この方針を阪神内部では「骨太の方針」と呼んでいた。もともとは、かつて小泉純一郎政権で「聖域なき構造改革」実施のために経済財政諮問会議で決議させた政策の基本骨格をいう。2001年ごろのことだ。

 阪神版の「骨太の方針」はFAや外国人など補強に頼らず、新人獲得と育成による生え抜き中心のチーム作りだ。この方針に沿って「人集め」「人作り」「人使い」を行うわけだ。

 実は、2年前の同じ優勝祝賀会で主催者代表(当時は球団会長)としてあいさつした秦は「今回の優勝は7年前からの骨太の方針が実を結んだ結果だと思っています」と語っていた。ところが翌朝、この「骨太」発言を記事にした新聞はなかった。マスコミ受けが悪いのか、ファンの間でも浸透していない。

 今回は「骨太」という言葉は使わなかったが、同じ趣旨を語っている。

 阪神で「骨太」が初めて表に出たのは2016年11月22日の球団納会だった。監督1年目を4位で終えた金本知憲が「カープが強かろうが、ジャイアンツが強かろうが、関係なく向かっていきましょう。とにかく骨太なチームをつくっていきたいので、厳しい練習もあると思いますけど、来年、本当に優勝するために怖がらず立ち向かっていきましょう」と話した。

 当時、金本へ監督要請の際、オーナー・坂井信也が「チームを一度壊してでも」と改革に動き出していた。

 ただ道は険しかった。Aクラス入りはするものの優勝までは遠かった。それを一昨年、監督・岡田彰布の指揮の下、勝ちきった。メンバーもほとんどが生え抜きである。「骨太の方針」は10年かけて、好循環を生み出している。

 骨格がしっかりとした「骨太」は頑丈で、なかなか揺らがない。2リーグ制で球団初の連覇に向け、「方針」を再確認したことだろう。 =敬称略= (編集委員)

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