【平野謙 我が道29】BC群馬で7期連続V BCリーグには少なくても4種類の選手がいる

[ 2025年10月30日 07:00 ]

群馬ダイヤモンドペガサス時代。前列左から2人目が私、右隣は高橋雅裕コーチ
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 自分から売り込んだりしないのに、ありがたいことに誰かが話を持ってきてくれる。2014年(平26)秋、ロッテ2軍監督時代のマネジャー、谷口弘典君が独立リーグのBCリーグ、群馬ダイヤモンドペガサスとの縁をつないでくれた。

 入団に前向きな気持ちを伝えたら、オーナーの糸井丈之さんが自宅のある東京・荻窪まで来てくれた。「野球をする前に一社会人としての人間形成も踏まえて考えているんです」というオーナーの思いに賛同し、お世話になることにした。

 15年は野手コーチを務め、16年は監督に就任。6年ぶりに東地区前後期を制覇し、リーグチャンピオンシップは西地区優勝の石川を3勝1敗で破った。

 四国アイランドリーグplusを制した愛媛とのグランドチャンピオンシップは敵地、坊っちゃんスタジアムでいきなり2連敗。第2戦は3―0で迎えた9回裏、逆転サヨナラ負けを食らった。元DeNAの伊藤拓郎に完投させてあげたいと温情をかけて交代機が遅れ、慌てて出した抑えの堤雅貴に悪いことをした。

 前橋市民球場に所を移した第3戦から3連勝。第2戦と同じ伊藤が先発した第4戦は早めに山崎悠生―堤とつないで逃げ切った。リリーフの2人は球数云々(うんぬん)より意気に感じて投げるタイプで、よく投げてくれた。

 第5戦も勝って3勝2敗で初の独立リーググランドチャンピオン。19年の前期まで東地区で7期連続優勝し、18年もグランドチャンピオンになった。

 BCリーグにはいろんな選手がいる。(1)NPBを目指す選手、(2)NPBを戦力外になって復帰を目指す選手、(3)教師として野球を教えたいと思っている選手、(4)上は諦めているが、野球が好きでやめられない選手。少なくても4種類はいる。

 シーズン前に選手一人一人にどこを目指しているか聞き、それに応じて接し方を変えた。例えば教師になりたい選手には「采配や選手を見る目を養うのに、ベンチはうってつけの場所だよ」と話して勉強を促し、ときどき試合に出した。

 あと家族や恩師が試合を見に来る時は「必ず俺に言ってくれ」と話していた。独立リーグの選手は月給10万円ほどで、それもシーズン中の5、6カ月だけ。家族の支援がないとやっていけない。家族や恩師が来たら元気な姿を見て帰ってもらいたい。必ず試合に出した。

 ダイヤモンドペガサスには5年間お世話になった。最後は選手に「監督やコーチが厳しすぎる」と言われて、一緒に行ったコーチの高橋雅裕(現監督)ともども身を引いたが、野球がつないでくれた群馬との縁は続いた。

 21年、コロナで1年延びた東京五輪の聖火ランナーとして高崎駅の近くを走らせてもらった。

 ◇平野 謙(ひらの・けん)1955年(昭30)6月20日生まれ、名古屋市出身の70歳。名古屋商大から77年ドラフト外で中日入団。88年に西武、94年にロッテ移籍。右投げ両打ち。俊足強肩の外野手として活躍する。ゴールデングラブ賞9回。盗塁王1回。歴代2位の通算451犠打。引退後はロッテ、日本ハム、中日、社会人、独立リーグなどで指導を続ける。現在はクラブチーム、山岸ロジスターズ監督。

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