「すべてのルールを壊す」理論破りのスイング ブルージェイズ・ゲレロの特筆すべき打撃メカニズム

[ 2025年10月23日 12:57 ]

ブルージェイズ・ゲレロ(AP)
Photo By AP

 米データ分析サイト「ベースボール・プロスペクタス」が、ブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(26)のスイングを「理論的にあり得ない」と評している。

 現代の打撃最適化理論では、打球を遠くへ飛ばすにはアッパー軌道(+10度前後のアタックアングル)が必須とされている。アタックアングルとは、バットがボールに当たる瞬間のスイング軌道の角度を指す。角度がプラス(上向き)であれば打球は上がりやすく、ホームランになりやすい。一方、水平やマイナス(下向き)のスイング角ではゴロが多く、強い打球は出にくい。それがデータで裏付けられた「常識」だ。

 ところがゲレロは、平均アタックアングルがほぼ0度にもかかわらず、リーグ屈指のハードヒット率50.7%を記録している。「最適化された打撃理論の時代において、ゲレロのスイングはすべてのルールを壊すものだ」と同サイトは評価。メジャーを代表する長距離砲の大谷翔平とカイル・シュワバーが約15度、アーロン・ジャッジは14度となっている。

 なぜゲレロは水平、あるいは下向きのスイングで長打を連発できるのかについて「プロスペクタス」は「父、ウラジーミル・ゲレロSr.譲りの異常な身体能力と感覚」にあると分析している。父はメジャー2217試合に出場し、2590安打を放ち、打率.318を記録。本塁打は449本、盗塁も181をマークするなど、走攻守3拍子を併せ持つスタイルだった。腕の長さと可動域の広さ、手首と前腕のバネの強さ、そしてどんなコースのボールにも芯で当てられる反射神経。それらの遺伝的な資質が“理論破り”のスイングを成立させているとする。

 いまや強豪チームほどデータ野球を極めているが、このポストシーズン、ヤンキースもマリナーズも理屈では攻略不可能なスイングを持つ男を止められなかった。地区シリーズのヤンキース戦では17打数9安打3本塁打9打点、ア・リーグ優勝決定シリーズのマリナーズ戦では26打数10安打3本塁打3打点を記録し、MVPにも輝いた。絶好調のドジャース投手陣といえども、ゲレロ封じには苦労するかもしれない。

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2025年10月23日のニュース