【阪神90周年を飾る優勝】岡田彰布氏「今季は普通にやれば勝てると思っていたよ」

[ 2025年9月8日 03:00 ]

セ・リーグ   阪神2―0広島 ( 2025年9月7日    甲子園 )

24年11月、阪神秋季キャンプで岡田顧問(左)と握手する藤川監督
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 2年ぶりの優勝を受け、前監督で球団オーナー付顧問の岡田彰布氏(67)が本紙にコメントを寄せた。自身が指揮を執った一昨年の優勝・日本一と昨年のV逸の明暗2年間の経験が生きたと語った。

 予想通りの優勝というか、今季は普通にやれば勝てると思っていたよ。ここまで大差での独走とは予想していなかったけどな。戦力差以上に、他球団の主力に故障者が多かったのが原因だろう。その点で阪神は大きなけが人を出さなかったのも大きかった。

 強みは何といっても投手力よ。もともと力があるのは分かっていたが、チーム防御率2点そこそこというのは相当よ。1試合で3点取られへんのやから。チーム打率や本塁打の数字は平凡やけど、計算できる投手力があるからこそ勝ち星を積み上げられたわけやな。

 その投手陣の力を引き出していたのが坂本のリードやな。今年は内角直球を投げさせられるようになった。

 昨年の失敗を生かしたと言える。昨年の大事な巨人戦(9月23日・甲子園)で外角球を坂本に反対方向にポーンと打たれて0―1で負けた。クライマックスシリーズ(CS)でもDeNA相手に逃げて、主力打者に右中間に打たれて負けた。そういうのを見てきているからな。勝てなかったという経験を生かしたと言える。

 昔、野村克也さんが捕手のリードについて「困ったら原点」と外角低めが基本と主張していた。今はもう、その定石は通用しない。「困ったら内角」よ。

 攻めるなら思い切って攻めないと。今年の坂本はそれができている。もちろん、投手陣の全員が内角直球を投げられるという力量があってのことよ。

 佐藤輝への相手チームの攻め方を見ても逃げてばかりで内角を直球で突かん。本塁打も半分以上が変化球を打ったもの。オレは彼に「前で打て」「泳げ」と言い続けてきた。あの力なら変化球に泳いでも本塁打できるよ。

 今年は本塁打王も打点王も獲るだろうが、元々、あのぐらいの数字は出せる打者やからね。三振はもっと減らさなあかんけどな。

 活躍目覚ましい石井は昨年の途中から勝ちパターンで起用した。それまで桐敷や岩貞、島本らがいて、あの位置はつかめんかった。石井の一番の良さはマウンドで喜怒哀楽を見せないところよ。キャンプでも多くの球数を投げていたしね。

 思えば、監督に復帰した一昨年は勝つためだけにやった。もう10歳若かったら育てながら勝とうとしたよ。

 一昨年勝ったとき、オレはそんなこと思ってもないのに「監督の力で勝った」といった評価があった。前回オレが監督だった2005年以来18年ぶりの優勝だったからだろう。

 すると昨年開幕前に「今年は選手の力で勝つ」という声が聞こえてきた。「これは危ない」と思った。団体競技にあって監督・コーチ陣も選手もフロントも裏方も一丸とならないと勝てないからね。

 一昨年勝って自信をつけて、昨年は負けて苦い思いをした。2年間で勝ち方も負け方も勉強したわけよ。

 今季開幕前、落合博満さんがテレビ番組で「一昨年、昨年とやってきたことをどう継承していくか。前任者の良いところまで壊して、違った野球をやろうとすると失敗する」と話していた。経験が財産になっていればいい。

 藤川監督になっても四球を多く取り、バントも使って……と当たり前のことをやっている。「危ない」と思ったことはあったよ。例えば森下の4番。過去2年、フルで出ていない選手。オレは最低3年やってからと4番に据える考えはなかった。今の陣容で森下4番はないよ。結局3番に戻したのは正解よ。

 CS制度には昔から反対やけど、日本シリーズには出ないとな。相手はどこであれ、力のあるパ・リーグとの対戦になる。交流戦は苦しんだが、短期決戦なら何があるか分からんよ。 (阪神タイガース前監督)=構成・内田 雅也=

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