【記者の目】阪神優勝マジック点灯の要因は藤川監督の「先発を崩れさせない」先行逃げ切り継投策

[ 2025年7月31日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5―0広島 ( 2025年7月30日    甲子園 )

<神・広>6回、代打を告げる藤川監督(撮影・北條 貴史)
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 阪神が今季94試合目で優勝マジック「39」を点灯させた。球団では3度目となる7月中のスピード点灯を可能とした要因として、スポニチ阪神担当・倉世古洋平キャップは、投手出身である藤川球児監督の「先発を崩れさせない」素早い継投策に着目。それにより、先行逃げ切りスタイルを確立したと分析した。

 7月にして早々と優勝マジックを点灯させた藤川監督の采配の特徴は早い継投にある。先発投手をスパッと代える。打たれてから代えるのではなく、打たれる前に代える。その結果、勝った試合の約8割が先制して逃げ切るというチームスタイルをつくりあげた。

 個人的には、リスクがあるのではないかと感じていた。先発が5回や6回途中で降板すれば、「心臓」と称するブルペン陣への負担は増大する。及川、湯浅、ネルソンを巧みに使って救援陣の枚数を増やすことに成功しても、負荷を分散しきれないのではないか。そう考え、日本通算243セーブを挙げてブルペン事情に精通する藤川監督に尋ねた。

 先発と中継ぎでは、どちらが疲労がたまりやすいのか――と。

 「それは、先発ですよ。シーズンで考えれば必ず、先発の方に負担が出る。120、130球以上を投げると影響が出るというデータもありますから」

 なるほど、謎が解けた。新加入のデュプランティエに序盤戦“5イニングで十分”という起用を続けたのも、新人の伊原を今も引っ張らないのも、ブルペン勢をつぎ込んで目先の勝利を優先した結果ではなく、長期的視点に立ってきたからに他ならなかった。「力投型」と位置付ける才木は、1試合にかかる体への負担が大きいとして、球数が90球台でも降板させた。

 「物足りないぐらいが、ちょうどいいんですよ」

 先発陣に“次は長く投げたい”という心理が働くように仕向けてきたのも、心憎い。

 投高打低が著しい昨今、先発が崩れないことが勝利への近道。選手の投球スタイルやキャリアに応じて先発陣に決して無理をさせなかったことが、独走態勢につながった。藤川監督の読みどおりなら、この先も投手陣に余力があるということ。球団創設90周年で初となる新人監督の優勝が現実味を帯びてきた。 (阪神担当キャップ・倉世古 洋平)

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