【高校野球】群馬大会決勝で見つけた意外な顔…山梨学院は天下を取りに行く

[ 2025年7月31日 10:12 ]

群馬大会決勝を観戦した山梨学院・菰田(撮影・柳内 遼平)
Photo By スポニチ

 第107回全国高校野球選手権大会が5日に甲子園で開幕する。

 
 注目の優勝候補には春夏連覇を狙う横浜(神奈川)、昨春の選抜で甲子園初優勝を果たした健大高崎(群馬)を推す声が多い。

 どちらも超高校級の逸材を有する。健大高崎はドラフト1位候補の右腕・石垣元気(3年)、同じくプロ注目左腕の佐藤龍月(りゅうが=3年)。横浜は二刀流左腕・奥村頼人(3年)、世代No.1外野手の阿部葉太(3年)、そして来秋ドラフトの目玉とされる右腕・織田翔希(2年)だ。

 優勝は組み合わせの影響を大きく受ける。それは大前提だが、記者は山梨学院も優勝候補の一角として挙げたい。

 今春選抜では2年生で史上最速タイの152キロを計測した大型二刀流右腕の菰田陽生(2年)、同じく2年生の左腕・檜垣瑠輝斗が軸となる投手陣は安定感がある。さらに伝統の固い守備と「細かい野球」が健在だ。

 「細かい野球」が際立ったシーンがあった。日本航空との山梨大会決勝。2点を追う4回の攻撃で先頭の横山が二塁打で出塁した場面だ。1点ずつ奪うために送りバントを選択するのか、チャンス拡大のためヒッティングを選択するのか、吉田洸二監督の采配に注目した。

 ここで山梨学院は二兎(にと)を追った。5番・平野天斗(3年)はヒッティングで右方向に強打。結果的に二塁ゴロで1死三塁。安打の可能性を残しつつ、走者を進塁させるハードスイングの「右打ち」をファーストスイングで実行してみせた。

 勝利を近づける投手力、守備力。そして確実に走者を進める「細かい野球」。さらに今年の山梨学院には打撃の力強さがある。練習試合では木製バットで140メートルもかっ飛ばしたことのある菰田が7番を担う強打線。決して投手として体力を温存しているわけではなく、純粋に菰田に負けない打者が並んでいる。

 1番には広角にヒットを打ち分ける鳴海、2番は長打力とアベレージを両立する宮川。そしてクリーンアップを形成する梅村、横山、平野はチーム屈指の打者。そして6番・萬場は1番や3番を担える実力の持ち主だ。下位まで切れ目のない打線は山梨学院史上最強とも言っていい。

 山梨学院は本気で夏の頂点を狙っている。そう確信できる出来事があった。27日に行われた群馬大会決勝では健大高崎が前橋育英を下した。延長11回タイブレークの激戦に記者は手に汗にぎった。ふと、カメラマン席から内野席を見上げると、そこには山梨学院ナインの姿があった。

 引率していた山梨学院・吉田健人部長は「私たちは7月23日に甲子園大会出場を決めました。今までの経験から甲子園開幕までに“中だるみ”することがありましたので、レベルの高い試合を見ることが甲子園に生きると思いました」と意図を明かした。

 この試合で、今秋ドラフト1位候補の石垣元気(3年)は救援で4回を完全投球。155キロの剛球をスタンドで体感した来秋ドラフト目玉の大型二刀流右腕・菰田は「こういう投手を打てないと甲子園で勝てない」と闘志を燃やしていた。

 甲子園優勝経験のある名門2校の戦いを「勉強」として、そして健大高崎を甲子園で激突する好敵手として目に焼き付けるために群馬までやってきた。山梨学院は本気で天下を取りに行く。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

「大谷翔平」特集記事

「始球式」特集記事

野球の2025年7月31日のニュース