ヤクルト・奥川“9度目の正直”7回無失点で12球団開幕投手最遅の今季初勝利「こんなにうれしいんだな」

[ 2025年7月20日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト3―1広島 ( 2025年7月19日    神宮 )

<ヤ・広>ヒーローインタビューで笑顔の奥川(撮影・尾崎 有希)
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 やっと勝った。ヤクルト・奥川恭伸投手(24)が19日、広島戦で今季最長の7回を投げ単打のみの3安打無失点、8奪三振の好投で今季初勝利を挙げた。6年目で初めて指名された開幕投手ではここまで12球団で唯一、白星がなかったが、9試合目でようやく脱出。昨年8月2日の巨人戦以来351日ぶりの勝利で、チームを連勝に導いた。 

 時間がかかった分だけ喜びは格別だった。ウイニングボールを受け取った奥川は、仲間たちと満面の笑みでハイタッチ。ファンの声援を全身で受け止め「勝つってこんなにうれしいんだな。改めて思いましたね」と笑った。右肘痛を乗り越えて980日ぶりの復活勝利となった昨年6月14日の勝利では涙をこらえきれなかったが、今年はスマイルがはじけた。

 調子のバロメーターでもある直球で打者を押し込んだ。最速は151キロを計測。終盤まで球威は衰えなかった。7回先頭の坂倉に四球も、続くモンテロを狙い通りに外角へのフォークで三ゴロ併殺に打ち取ると「よっしゃー!」と雄叫び。最後は末包を149キロ直球で二直に仕留め、笑顔で拳を握りしめた。今季最長の7回を投げ切って散発3安打無失点。8奪三振も今季最多と会心の投球で勝利をつかみ取った。

 「打者との対決とか、そういうところに楽しみじゃないけど、それが出ているのかな」

 今季は6年目で初めて開幕投手に抜てきされたが、8試合連続で勝利がなかった。「投げられればいい、ではなくなった。抑えられないと楽しくない」と追い込まれていった。ケガなく投げられることへの喜びを大事にしていたが「勝ちたいという気持ちが邪魔していた」といつしか薄れていった。

 だが、前半戦最後の登板は、喜怒哀楽をむき出しにしながら全力で腕を振った。その姿は、星稜のエースとして準優勝した19年夏の甲子園を思い出させた。当時のスローガンは「必笑」。爽やかな笑顔とともにプレーする奥川は、全国の野球ファンに強烈な印象を残した。甲子園を目指す熱戦が全国各地で展開中。母校はこの日、石川大会3回戦を突破し8強入りを決めた。聖地の土を踏むことができる球児は限られるが「甲子園に出られるのは(各地区)1校しかない。負けたチームは地方大会で終わってしまうけど、3年間の全部をぶつけてほしい」とエールを送る。

 勝つ喜び、野球の楽しさを再確認した奥川の夏はここから本番を迎える。「この1勝で終わりたくない。今日のハイタッチがうれしかったので、そういう機会を増やしたい」。苦しみ抜いた末につかんだ白星を、後半戦の飛躍につなげる。(重光 晋太郎)

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