阪神・熊谷 7連勝導いた先制V撃全3打点 昨年8月は「リリーフ待機」した万能と献身

[ 2025年7月6日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―0DeNA ( 2025年7月5日    横浜 )

<D・神>4回、熊谷は2点三塁打を放った(撮影・須田 麻祐子)
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 阪神・熊谷敬宥内野手(29)が5日、DeNA戦に「7番・遊撃」でフル出場し、今季初の7連勝に貢献した。プロ初の三塁打を含む2適時打。キャリアハイの1試合3打点をマークした。4回2死一、三塁で、大貫から左翼フェンス直撃の2点三塁打で先制点を叩き出すと、6回無死一、三塁でも右前適時打。全3得点を稼いだ伏兵の躍動で、猛虎は今季最多タイの貯金14まで積み上げ、2位・広島とのゲーム差も今季最大の6・5とした。 

 1メートル75、68キロの小柄な体から放たれたとは思えない、低く鋭い弾道だった。主砲の一振りかと見まがう熊谷の一撃はグングン伸び、左翼・井上が伸ばすグラブの上を越えた。フェンスに直撃する豪快打。4回2死から大山と前川の連打で築いた一、三塁の先制機に、6月7日オリックス戦以来の先発遊撃を託された男が、早々に結果を出した。

 「大山さんと右京がつないでくれたので、何とか…。スリーベースはたまたま。還そうという気持ちはあった。いい感じで当たったので、越えてくれと思いながら走っていた」

 大貫がカウント2―1から投じたど真ん中のスライダーをジャストミート。試合前時点で打率・321だった背番号4は、右腕の失投を逃さなかった。6回にも再び大山、前川の連打で築いた無死一、三塁から、右前へポトリと落ちる3点目の適時打。1ボールから3球続いた低めの球をファウルで逃げ、5球目の内角高めを右へおっつける技ありの一打は、直前の三塁打を脳裏から消し、持ち前のしぶとい打撃に回帰した結果と言っていい。

 「最初から右方向を狙っていた。(内野が)中間守備だったので、弱い打球でもセカンドの方に打てば1点は取れるかなと。いいところに飛んでくれた」

 通算289試合出場のうち、270試合は途中出場(代打20、代走164、守備固め86)のバイプレーヤー。16試合連続で先発遊撃を務めた小幡に代わって起用された。「いつでも、どこを守ってもいい準備はしている」と語る29歳は昨季、実は「リリーフ登板」にも備えていた。8月、名古屋での中日戦。先発投手の早期降板による救援陣のつぎ込みと延長12回突入で、危険球退場など不測の事態が発生した際、投手が足りなくなる可能性があった。熊谷に白羽の矢が立ち、ブルペン投球も敢行。“プロ初登板”は幻となっても、万が一を見越し、肩もつくれる万能性と献身性。今や猛虎に欠かせぬ存在だ。

 藤川監督からも「何歳からでも、現役が終わるまで、いつでもそういうチャンスはある。30歳を越えてレギュラーになった選手も、全然いる」と2安打3打点の躍動を称賛された。木浪、小幡も黙ってはいないだろう。風雲急を告げる遊撃争い。プロ8年目の伏兵が、巧打と堅守で「定位置」を奪いにかかる。(八木 勇磨)

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